④創成館高が神宮大会準V 充実の投手陣で快進撃

 11月の明治神宮野球大会(高校の部)で、初出場の創成館が準優勝を果たした。全国各地区の秋季大会を制した強豪10校によるハイレベルな舞台。ここで創成館は中国大会覇者のおかやま山陽を破って県勢史上初の勝ち星を挙げると、続く準々決勝も東北代表の聖光学院に競り勝った。準決勝では全国屈指の名門校、大阪桐蔭を撃破。この勝利で全国的に脚光を浴び、来春の選抜大会の有力校に名乗りを上げた。

 今夏の県大会は準々決勝で波佐見に4-5で惜敗。波佐見はそのまま頂点に駆け上がり、甲子園出場の夢をかなえた。そんな悔しさが残る中で幕を開けた新チームだったが、今季は戦力が整い、試合では抜群の安定感を見せた。

 秋の県大会は全5試合で計6失点と堅守が光り、6季ぶりの優勝を飾った。九州大会の準決勝ではエース川原が宮崎第1代表の延岡学園を相手に3安打完封。決勝では同2代表の富島を7-4で破り、初優勝を達成した。

 快進撃の原動力となったのは、層の厚い投手陣。184センチ左腕の川原を筆頭に七俵、伊藤、戸田らが与えられた役割を着実にこなした。今季の公式戦全13試合中、12試合で継投。戦況に応じ、タイプの違う投手を細かくつないでいく戦い方が奏功したといえる。

 もう一つの強さは、どこが相手でも「挑戦者の姿勢」を崩さなかったということだ。「先入観が一番の敵。構えたら負ける。怖いもの知らずで攻めていこう」。難しいテーマだが、稙田監督の勝負に対する考え方を選手たちはしっかりと受け止め、実践することができた。

 今春の選抜優勝メンバーが多く残る大阪桐蔭との一戦。1点を追う三回、打者9人を送る猛攻で4点を挙げ、その後も計3点を加えた。最速140キロを超える3投手から計7得点。敵将の西谷監督も「つなぐいい野球だった」と感服する内容だった。決勝は四国代表の明徳義塾に完封負けを喫したが、主将の峯は「全国制覇がちゃんとした目標になった」と手応えをつかんだ。

 厳しい冬のトレーニングが始まり、雪辱に向けた準備は着々と進んでいる。2013、14年の春の選抜はいずれも初戦敗退。目指すは09年春の清峰以来、県勢2度目の全国制覇だ。

明治神宮野球大会(高校の部)で準優勝を果たした創成館。主将の峯が打線を引っ張った=神宮

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