日立金属、車載用軟磁性材料開発 タイヤ空気圧センサー向けなど

 日立金属は21日、自動車関連アンテナ用コア材に適したソフトフェライト材料「ND57S」を開発したと発表した。外部応力や温度変化の影響を受けやすい使用環境下でも安定して特性を発揮するため、自動車用途(キーエントリーシステムやタイヤ空気圧センサー)に適している。今春から自動車関連で試作や販売を行い高評価を得ており、本格販売に乗り出す。

 ソフトフェライトコアは自動車用電装部品など電子回路に搭載される軟磁性材料の一つ。IoT技術で用途が拡大するセンシング、アンテナでは厳しい環境下での特性安定性(ロバスト性)が必要とされ、基幹部品に組み込まれるソフトフェライトコアには応力や温度変化に対応する特性が求められる。

 「ND57S」はニッケル―亜鉛系ソフトフェライト材料。フェライト主組織の適正化と、焼成プロセス改良による結晶組織の微細化を実現し、従来材に比べ外部応力や温度変化に対するロバスト性を向上させた。

 製造拠点は日立フェライト電子と日立金属(香港)。

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