YKKAP、インドネシアに研究拠点 省エネ建材の開発推進

 YKKAP(本社・東京都千代田区、社長・堀秀充氏)は2018年内をめどに、インドネシアに研究開発拠点を開設する。国内で培った省エネと快適な暮らしを両立させる建材技術を、海外に展開することが狙い。同国の生産拠点にある既存建屋をR&Dセンターに改修。高温多湿な気候に対応した省エネ窓の開発を進める。20日夜に都内で吉田忠裕会長CEOが説明した。

 同社では自然の風や光など利用し、住まいの快適さを保ちながら空調などのエネルギーを節減するパッシブ技術を建材に活用している。今後建築が増える東南アジア市場では省エネのニーズが増えると見通し。現地の気候に合わせたパッシブ技術を盛り込んだ製品を開発し、需要に対応する。

 インドネシアでの立地は同社として長期間の実績があり市場に関する知見が豊富なほか、生産拠点などの事業基盤を有していることなどから。今後は現地で活動する日本の研究者とも連携しながら開発に取り組む。

 同社では研究開発に関する拠点体制を順次強化しており16年には富山県黒部市にマザー拠点を建設。17年にはドイツに調査を主体とする拠点を設けている。

 18年に開設するインドネシア拠点では高温多湿な気候に対応した商品開発や市場調査を行う。

 吉田会長は「来年は日本とインドネシアが国交を樹立して60年の節目を迎える。開発拠点を設け、現地に役に立つものを作ることで国の発展に貢献していきたい」と話している。

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