古河電工と古河機械金属、新レーザ溶接技術を確立 純銅溶接時の欠陥低減

 古河電工と古河機械金属は21日、純銅の溶接欠陥を大幅抑制する新レーザ溶接技術を確立したと発表した。古河電工がファイバレーザで持つ高エネルギー密度ビーム技術と、古河機械金属子会社である古河電子が有するビームモード制御技術を融合。溶接時の欠陥量を従来比で95%以上削減した。自動車用モータやインバータ用パワー半導体の製造コスト低減と高性能・小型化に貢献する。

 車載部品の設計自由度を高める加工手法としてファイバレーザによる溶接が注目されているが、熱伝導率が高く光吸収率が低い純銅の溶接では、溶接欠陥が生じやすいことが課題となっていた。両社の技術を融合して純銅の溶接に最適なビームモードを形成することで、金属微粒子の飛散や球状の空洞などの欠陥を大幅に抑える技術を確立。課題を解決させた。

 新技術により自動車用モータやインバータ用パワー半導体などの溶接・検査工程を効率化でき、製造コストの削減や高性能・小型化に貢献できる。古河電工では千葉事業所(千葉県市原市)内にレーザ装置の試験・開発拠点であるレーザアプリケーションラボを有しており、顧客の新レーザ技術導入を支援できる体制も整っている。

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