ハルク・プロ、2018年体制発表。全日本ロードJSBにJ-GP2チャンピオン水野涼が参戦

 12月22日、MuSASHi RT HARC-PRO.が2018年シーズンの体制を発表した。全日本ロードレース選手権JSB1000クラスに水野涼、J-GP2クラスに名越哲平を起用する。

 MuSASHi RTハルク・プロは全日本ロードレースや鈴鹿8時間耐久ロードレースに参戦を続ける、創立30年以上の歴史あるプライベーター。2017年シーズンはJSB1000で高橋巧が、J-GP2で水野涼がそれぞれチャンピオンを獲得した。

 長くハルク・プロのエースライダーとして活躍した高橋が、ホンダのワークスチーム『Team HRC』に起用されることはすでにホンダから発表済みだ。

 その高橋の座を受け継ぐ形でJSB1000にステップアップする水野は、群馬県出身の19歳。2013年から全日本J-GP3クラスに参戦を開始し、2015年にはJ-GP3チャンピオンを獲得した。また、この年のMotoGP日本GPにはMoto3クラスへワイルドカード参戦も経験している。

 J-GP2参戦2年目となる2017年シーズンは全7レース中5勝を挙げる強さを見せ、チャンピオンに輝いた。2018年シーズン、全日本最高峰クラスに挑む水野。マシンはホンダCBR1000RR SP2となる。

 J-GP2に参戦する名越哲平は若手ライダー育成制度『MuSASHiスカラシップ』第1期生。2011年から全日本に参戦を開始し、2017年シーズンは全日本ロードレースST600クラスと同時にアジアロードレース選手権 SS600クラスにも参戦。全日本ST600をランキング6位、アジアロードレースを11位で終えた。2018年シーズンはハルク・プロHP6qを駆りJ-GP2に挑戦を開始する。

 JSB1000参戦が決まった水野。日本、さらには世界を目標に見据えた挑戦をしていきたいと言う。

「2018シーズンは全日本最高峰クラスであるJSB1000クラスに、チャンピオンチームから参戦することとなりました。JSB1000クラスのレベルの高さは十分理解しているつもりですし、いきなりトップ争いに絡めるような簡単なカテゴリーではないことも認識しています」

「でも自分が世界で戦うライダーを目指している以上、まずはこのカテゴリーで結果を出すことができなければ、その先ヘ進む扉を開けることができないと考えています」

2017年のJ-GP2チャンピオンに輝いた水野涼

「2018シーズンはできるだけ早いタイミングで表彰台に上がり、次のレベルにフォーカス。2019シーズンに明確な結果を出し、2020年にはぜひ世界へチャレンジしていきたいと考えています。そのためにも2018シーズンは重要な1年になると考えています」

 一方、ST600からJ-GP2にクラスを変更して参戦する名越は「少しでも早い段階でJ-GP2クラスを戦いたいと希望していましたが、それが2018シーズンに叶うことになりました」と喜びを語る。

2017年は全日本ST600とアジアロードレースに参戦した名越

「世界で戦うためには純粋なレーシングマシン、スリックタイヤでの経験が重要になり、それが全日本J-GP2クラスにはあると考えていたからです。チャンピオンマシン、チャンピオンチームと言い訳のできない最高の体制のなか、自分をさらに大きく成長させられる年にしたいと考えています。」

 また、監督としてチームを率いる本田重樹監督は次のようにコメントを発表した。

「皆様の多大なるご支援、ご協力をいただき、2017シーズンは参戦した2クラスでともにチャンピオン獲得という最高の結果を得ることができました。ありがとうございます」

「2018シーズンは、これまでチームの柱として活躍してくれた高橋巧を次のステップへと送り出すことになり、新たな体制で臨むこととなります」

「巧がチームを抜けることで、JSBクラスの戦いは厳しいものになることが予想されますが、長きに渡って若手ライダーの育成を計ってきた私たちの経験を最大限に活かし、次世代ライダーの育成に努めます」

 同時に、Mistresa RT HARC-PRO.の体制が発表された。全日本ST600クラスには2017年MFJカップJP250の国内ライセン部門チャンピオンの上原大輝で、マシンはホンダCBR600RR。そして全日本併催のMFJカップJP250に起用されるのはベテランライダーである赤間清で、マシンはホンダCBR250RRとなる。

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