もしもNPBが2期制だったら…【セ編】広島がW制覇、DeNAの日本S進出はなし

広島・緒方孝市監督【写真:荒川祐史】

後期に阪神が加速、巨人は前期の“負債”が足かせ

 もし今季NPBが2シーズン制を導入していたら…? 実は、ここから面白いことがいろいろ分かってくる。試合消化のペースが異なるため、前後期にきちっと分割することはできないが、総試合数の約半分を消化した6月末で区切って、前後期の成績を見てみたい。

 今回はセ・リーグを。

【前期】
1広島 72試45勝26敗1分 勝率0.634 差–
2阪神 70試37勝33敗0分 勝率0.529 差7.5
3DeNA 72試35勝35敗2分 勝率0.500 差9.5
4中日 74試33勝38敗3分 勝率0.465 差12
5巨人 71試31勝40敗0分 勝率0.437 差14
6ヤクルト 71試28勝42敗1分 勝率0.400 差16.5

 前期の上位3球団は、今季の最終順位と同じ顔ぶれだった。6月に球団ワーストの13連敗を喫した巨人は5位に沈んでいる。

【後期】
1広島 71試43勝25敗3分 勝率0.632 差–
2阪神 73試41勝28敗4分 勝率0.594 差2.5
2巨人 72試41勝28敗3分 勝率0.594 差2.5
4DeNA 71試38勝30敗3分 勝率0.559 差5
5中日 69試26勝41敗2分 勝率0.388 差16.5
6ヤクルト 72試17勝54敗1分 勝率0.239 差27.5

 広島はシーズン通して好調を維持。阪神は後期さらに勢いを増して6割近い勝率を記録した。巨人も阪神と同率2位だったが、前期の“負債”が足を引っ張り、DeNAに追いつくことができなかった。この4チームが5割を大きく越え、中日とヤクルトは蚊帳の外だった。

個人タイトルの行方はどうなる?

○打撃タイトル
【前期】
首位打者 丸佳浩(広)打率.331
本塁打王 ゲレーロ(中)21
打点王 ロペス(De)60
最多安打 大島洋平(中)96安打
盗塁王 大島洋平(中)、田中広輔(広)16

【後期】
首位打者 松山竜平(広)打率.332
本塁打王 バレンティン(ヤ)23
打点王 バレンティン(ヤ)55
最多安打 桑原将志(De)86安打
盗塁王 田中広輔(広)19

 丸は前期打率.331、後期は.284とやや調子を落とした。後期の広島は主砲の鈴木誠也が負傷したが、その穴を松山竜平が埋めた。後期だけなら首位打者だ。後期はヤクルトのバレンティンが2冠王だったが、チームが低迷していたこともあり注目度は低かった。DeNA桑原は後期最多安打。盗塁は前後期ともに広島の田中が1位だった。

○投手タイトル
【前期】
最多勝 岡田明丈(広)、菅野智之(巨)、メッセンジャー(神)7勝
防御率 田口麗斗(巨)2.26
奪三振 メッセンジャー(神)96
セーブ  田島慎二(中)22
ホールド ジャクソン(広)、岩瀬仁紀(中)20

【後期】
最多勝  菅野智之(巨)10勝
防御率  菅野智之(巨)0.60
奪三振  マイコラス(巨)105
セーブ ドリス(神)、山崎康晃(De)17
ホールド 桑原謙太朗(神)23

 前後期通じて、巨人の菅野が圧倒的な成績。特に後期は防御率0.60と圧巻だった。マイコラスは後期に最多奪三振に加え、8勝4敗、防御率1.63を記録。田口麗斗も含めリーグトップクラスの投手を3人も擁しながら、巨人はポストシーズンに進出できなかった。

 救援陣では前期は中日勢が活躍。田島が最多セーブ、大ベテランの岩瀬が20ホールドで1位タイだったが、後期は阪神、DeNAの投手陣が活躍した。

 2シーズン制であれば、広島が前後期ともに制したのでプレーオフはなかったことになる。広島はタイトルホルダーが少なく、傑出した選手はあまりいなかったが、故障者が出てもすぐに穴が埋まる選手層の厚さや総合力で他球団より傑出していたと言えよう。

(Full-Count編集部)

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