「私が言うのはどうかと思うが」と遠慮がちに雲仙市の金澤秀三郎市長は言葉を続ける。「選挙がないというのは、えたいの知れないものと戦っているような感覚。市民の前で政策を訴え、信を問いたい思いもある」
金澤市長は2期連続で無投票当選し、1月から2期目がスタート。前市長から数えて3回連続で無投票の事態に、市長自身も困惑する。市民の大半が市長に対して「可もなく不可もなく」の評価。その裏返しか、「誰でも一緒」の声もある。市政への関心の低さゆえに対抗馬擁立にまで至らず無投票になり、さらに関心をなくす悪循環になっていると感じた。
10月の市議選でも市民の政治離れは垣間見えた。19議席をめぐって21人が舌戦を展開したが、ここでもまた「誰でも一緒」の声。ただ、新人4人が全員当選したことは、変化を求める民意の表れとも受け取れる。
「2期目はポイントを絞る」とした金澤市長。心機一転した市議会。節目を迎えた市政に、市民が求める施策はさまざまだ。「誰でも一緒」から脱却して期待の声に変えるには、市民が暮らしの向上を実感できることが一番の近道かもしれない。
◎主なニュース
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