バルセロナで天才的な司令塔として活躍したシャビ・エルナンデスは、これまでのキャリアで多くのタイトルを獲得してきた名手だ。スペイン代表でも頭脳となっていたが、シャビはバルセロナ流のスタイルの中でしか活かされないタイプの選手だったと言えるかもしれない。
シャビは168cmと非常に小柄で、パワーやスピードに強みがあるわけではない。スペイン『La Vanguardia』によると、シャビ自身も相手と1対1になれば高い確率で負けることになると認めている。しかし、幼少期からそれを補うべく特別な武器を磨いてきたようで、自身のプレイスタイルを確立してくれたバルセロナに恩を感じていることを明かしている。
「僕のプレイスタイル?僕は常に時間とスペースをコントロールしようとしてきた。スキルに溢れているわけではなかったし、強い選手でもなかった。だから相手と対峙すると、ほとんど負けるだろうね。僕はパサーだ。判断力を最大まで早くすることでスピードの遅さを補おうとしてきたんだ。これは子供の時からやり始めたことで、マシアのおかげだね」
シャビはそれこそロングボールを多用するようなチームの中では活きにくいタイプの選手で、バルセロナのスタイルだからこそ大活躍できたのだろう。バルセロナにとってもシャビの判断力、技術の正確性は欠かせず、シャビの育成はクラブに大きな成功をもたらすこととなった。