「元気をありがとう」 松浦―佐賀 風船が結んだ縁 園児に菓子と手紙届く

 長崎県松浦市御厨町のみくりや保育園(田口松子園長、76人)に、佐賀市の女性(76)からクリスマスプレゼントが届いた。「子どもたちの元気を伝えよう」と運動会で飛ばした風船が結んだ縁。女性は「笑顔にしてもらったお礼に」と全園児分の菓子を贈った。

 風船飛ばしは2012年度スタート。組み体操やマーチングの練習をする園児の写真などを付け、約100個を放っている。

 今年の運動会は10月8日。風船を拾った県外の3組から連絡があったうちの1人が佐賀市の女性だった。女性は同月中旬、園にはがきを書くと、園児の絵や発表会の写真などが同封された返事が来た。感激した女性は12月中旬、佐賀名物の菓子を贈った。

 女性は「住んでいる地域は子どもが減ってしまった。写真から元気な声が聞こえてくるようで心が温まった」と振り返る。

 佐賀県立致遠館高(佐賀市)2年2組の35人からも11月下旬、「みんなのおかげで笑顔になれた」「元気をありがとう」などと書かれたカードが届いた。園の廊下には今も飾られている。福岡県久留米市の女性からも電話があったという。

 田口園長は「拾っていただけるだけでもうれしいのに、菓子や便りが届き本当に感謝している。子どもたちには善意のつながりの大切さを感じ取ってほしい」と話している。

届いた高校生からのメッセージカード前で、クリスマスプレゼントのお菓子を大事そうに持つ園児=松浦市、みくりや保育園

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