藤嶋さん、名誉市民へ 川崎市

 川崎市は25日、「光触媒」の発見で知られ、文化勲章を受章した東京理科大学長の藤嶋昭さん(75)=中原区在住=を名誉市民に選定するよう同推薦審議会(山田長満会長)から答申を受けた、と発表した。市は来年1月開会の市議会に提案し2018年度にも称号を贈る方針。

 藤嶋さんは、酸化チタンに代表される光触媒に光を当てると水を分解することを発見。汚れの分解や脱臭、殺菌など環境浄化などで活用され、毎年、ノーベル化学賞の受賞候補に挙がっている。また、神奈川科学技術アカデミー理事長、市教育委員などを歴任し、かわさき科学技術サロンの世話人代表を務めるなど科学技術の普及啓発に尽力。自ら出前授業を行うなど気さくな人柄なども評価され、審議会では全会一致で決まったという。

 市名誉市民制度は1971年に創設され、これまでの名誉市民は、金刺不二太郎(元市長)、伊藤三郎(同)、圓鍔(えんつば)勝三(本名・勝二、彫刻家)、岡本太郎(芸術家)の4氏。藤嶋さんに贈られれば約25年ぶりとなるという。

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