1年でJ1復帰を決めた名古屋グランパスが、2014年ワールドカップのブラジル代表FWジョー（コリンチャンス）を獲得すると報じられている。
ジョーは今年のブラジル全国選手権で得点王とMVPをW受賞し、コリンチャンスを優勝に導いた文字通り“大物”。その噂は本当なのか？Qolyではお馴染み、日本通のブラジル人チアゴ・ボンテンポ記者に聞いてみた。
－－やあチアゴ、年の瀬にびっくりするニュースが飛び込んできたね！
チアゴ：驚いた！あれほどの選手が日本に行くなんてすごいね！名古屋には守備の選手のほうが必要じゃないかなと思ってたけど（笑）
－－信憑性はどうなの？
あとはメディカルチェックだけだから決定的だね。コリンチャンスはもう後釜を探しているよ。
－－現地では移籍が噂されてたの？
いや、突然だった。先日、ジョーは「コリンチャンスに残る。リベルタドーレスに出たい、中国に戻りたくない（中国のクラブからの興味があったらしい）」と言っていたんだけど。
－－チアゴの目から見て、ジョーはどんな選手？
「スーパー」な選手ではないけど、彼は現在キャリアのピークを迎えているね。
188センチの大型センターフォワードなのに、ただの電柱じゃない。左利きで技術が高くてスピードもある。コリンチャンスでは一番足の速い選手だったよ。
－－ジョーは16歳でデビューして国内でとても期待されていたよね。
うん、でも今年まであまり評価されていなかった選手なんだ。
－－そうなの？でも確かに伸び悩んでいたよね。シティでも活躍できなかった。
2013年に結果を残して代表に入ったけど、2014年には調子を落として1年間もゴールから見放されていた。
その間ワールドカップに出場したけど、ちょっと運が良かったね。
－－その後、UAEを経て去年は“爆買い”の中国に渡った。
うん。最初は良かったけど7月から4か月も試合に出られなかった。それでコリンチャンスに移籍したんだけど、あの時はもう「終わった選手」だと思われてたよ。
－－たった1年前のことなのに…。
でも彼はそこからすごく頑張った。30歳でキャリアのピークを迎えてみんなを驚かせた。今やコリンチャンスの“レジェンド”だよ。
－－すごいな。何がジョーを変えたんだろう？
彼はプロ選手としての姿勢がなっていなかった。例えばお酒をよく飲んだりナイトクラブに行ったり。でも、コリンチャンスに移籍してからお酒を止めて、キャリアに集中して成功した。
－－コリンチャンスといえば元鹿島の38歳ダニーロがいるけど、彼から影響を受けたのかな？
きっとね。ダニーロはクラブのヒーローで、みんなから尊敬されているから。
－－じゃあこの移籍も彼が助言したりしたのかな（笑）？
アドバイスはあったと思うよ（笑）
－－でも“全盛期”の彼がどうして今、名古屋に移籍するんだろうか。
もちろんお金が一番だろうね。「断れないオファー」だと報じられているよ。コリンチャンスは新スタジアムの建設で巨額の借金を抱えていて、ジョーの移籍金（※約15億円と報道されている）は少しでもクラブを助けることになる。
－－お金か…。
でも、コリンチャンスのサポーターはすごく怒っている。SNSでは「来季は絶望的になった」、「ジョーの後釜を見つけられるのか？」という悲観的なコメントばかりさ。
－－名古屋のSNSにも一部のファンから罵詈雑言が寄せられていたね。
うん（苦笑）
－－彼は今年の活躍でセレソン復帰も囁かれていた。日本に来たら難しくなるんじゃない？
そうだね。でも、ヘナト・アウグスト（北京国安）や前広州恒大のパウリーニョ（バルセロナ）も代表のレギュラーだ。ジエゴ・タルデッリ（山東魯能）も呼ばれたことがある。
チッチ監督はガブリエウ・ジェズス（マンチェスター・シティ）の控えをまだ探しているから、ジョーも日本で活躍したら呼ばれる可能性があるかもしれないね。
－－1998年のドゥンガ＆サンパイオ以来、Jからワールドカップに出場するブラジル代表に？
可能性は僅かだと思うけど、それが彼のモチベーションになるといいね。
－－最後に、ジョーは日本で成功できると思う？
現在のブラジル国内で「一番良い選手」だから、日本での活躍も期待してるよ！
チアゴ・ボンテンポ
日本文化と日本サッカーをこよなく愛するスーパーブラジル人。その正確にして豊富な情報量は他の追随を許さず、王国ブラジルで最も日本サッカーに精通している記者の一人である。母国の好きなチームはリオの名門ボタフォゴ、学生時代の愛称は「ピカチュウ」だったらしい。
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