マゲテック、「精密板金」「筐体製作」に進出 事業領域拡充、付加価値向上

 鋼板の切断・折り曲げ・穴あけ・溶接を手掛けるマゲテック(本社・東京都大田区萩中、社長・本間靖也氏)は、神奈川・座間地区に「精密板金」拠点を新設したほか、本社(東京)工場では新たに「筐体板金」に乗り出した。横須賀工場を主軸に従来から手掛ける成形加工と合わせて事業領域を拡充。付加価値の高い精密板金、筐体板金を手掛けながら受注間口も広げ、この分野での顧客サービス向上と競争力強化につなげる。

精密板金業「栄工業」を子会社化/筐体板金業「金子板金」の事業譲受け

 マゲテックでは、今年8月に精密板金業の栄工業(座間市小松原1―6―16)をM&Aによって完全子会社化した。資本金は1千万円で、社長にはマゲテックの秋本誠取締役が兼務で就任している。

 従業員は16人。シャーリングやレーザ、ベンダー、タレットパンチプレスなどを保有し、火災報知器や計測器、制御盤用といった精密部品の板金加工を手掛けている。

 さらにマゲテックでは、後継者不在を理由に明年春での廃業を決めた東京・京浜島の筐体板金業、金子板金工業の商権、従業員すべてを譲り受けた。

 「筐体」とはコンピュータなどハードウェアを構成する部品をまとめて収納しておく箱型の鋼製容器(ケース)。3メートル級のサイズもあり「大型・重量板金」の部類となる。

 金子板金の全事業はマゲテックの東京工場が受け皿となり、11月1日から社員10人強が移籍。現在は金子板金の事業の引き継ぎ作業を順次、進めており明年1月いっぱいをめどに設備態勢やレイアウトなどを整備する。

 その一環で最新鋭アイアンワーカーが稼働したほか、レーザ&タレットパンチプレス複合機(いずれもアマダ製)も新設した。

 主力の横須賀工場(神奈川県横須賀市内川)では、従来の特装車向けを主体とした長尺部品の切断・曲げ・成形など各種成形加工に力を注いでいく。

3工場3事業部制構築

 マゲテックでは東京、横須賀、座間の3拠点体制を構築したのを機に、東京を「筐体板金事業部」、横須賀を「成形事業部」、座間を「精密板金事業部」の3事業部体制とした。それぞれが独立採算を目指しつつ、グループとしての連携・協業および相乗効果を模索しながら全体最適化を図り、顧客満足度の最大化を目指していく。

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