東洋アルミが筋電義手用小型リチウム電池を共同開発

 東洋アルミニウム(本社・大阪市、社長・山本博氏)は25日、Amaz技術コンサルティング合同会社との共同開発で小型円筒形リチウムイオン電池を開発した、と発表した。

 今回の開発は兵庫県福祉事業団福祉のまちづくり研究所(所長・医学博士の陳隆明氏)主導で実施されている、「平成29年度障碍者自立支援機器等開発促進事業」の一環。その一部は助成金による成果となっており、筋電義手の純国産の製品として開発が進められている「量産型筋電義手」への採用に向け、検討されている。

 筋電義手への適用では、装着者の負担感を軽減する必要がある。可能な限り軽量化すると同時に、義手の動きが自然な手の動きに見えるようにするため、高出力電池であることが求められる。このため、Amaz独自の技術を用いた小型サイズで高エネルギー密度の電池を使用する。

 今回開発したセルを使用した筋電義手用の専用電池パックは、小型・軽量化を図りつつ利便性向上のために手継手形状の中に直接セルと回路を収納した特殊な設計。これにより義手を直接マウントできる構造にした。指の動きをスムーズかつ素早くするために高電圧化も図り、充電制御部も内蔵したことで充電しながら使用できる。

 充電口には汎用性の高いUSBC端子を採用し、現行のUSB電力でも充電できる仕様。これにより専用充電器が不要で、外出先などでも手軽に充電できる。

 この開発品を搭載した「量産型筋電義手」は12月19・20日に開催された「障害者支援機器シーズ・ニーズマッチング交流会2017」(テクノエイド協会主催、大阪開催)で出展、展示された。今後は今回の開発品をベースにさらなる改善を行い、18年2月末までに最終仕様を決定する。

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