西海支局/夜間禁止 強く求めよ

 米海軍は、西海市の横瀬駐機場に配備するエアクッション型揚陸艇(LCAC)の夜間航行訓練を11月(7~9日)と12月(6日)の2度にわたり強行した。安全や騒音対策から、市と国(九州防衛局)は「夜間、早朝に航行しないよう米軍と調整する」との協定を結んでおり、事実上無視された形だ。

 市は協定に基づき、訓練の前後に何度も夜間航行禁止を国に要請してきたが、それでも行われた。米海軍佐世保基地は本紙の取材に「LCACの音を最小限にする対策を取り、運用が安全に行われるようにしていく」と今後も訓練する方針を示している。

 市は、米軍とは協定を結んでいないため、LCACの運用に関して直接のやりとりはできない。だが、市は「夜間航行を認めないという直接的な意思表示」として、例年、同基地関係者を招いていた年始の市消防出初め式に、今回は招待しないことを決めた。

 杉澤泰彦市長は「やるべきことはやっているが、自治体としては限界がある」として国に頼らざるを得ない状況だ。国は協定を順守し、夜間航行禁止を米軍に強く求めるべきだ。

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日没後に佐世保港内を航行するLCAC=11月8日午後5時51分、西海市西海町横瀬郷沖

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