新川電機、土木工事や地滑り監視用「極細3D地中変位計」拡販 自動計測、コスト面で優位性

 各種計測・制御機器の開発・製造および販売・保守メンテナンスを手掛ける新川電機(社長・新川文登氏)は、自社で取り扱う極細3D地中変位計SAA(Shape Accel Array)の拡販に注力する。本体のコンパクトさによるコスト面でのメリットに加え、縦横方向での自動計測、遠隔操作性などで従来品に比べて優位性がある。土木工事現場や地滑り危険カ所での採用増を狙い、ゼネコンや地方自治体向けにPRしていく。

 SAAは、カナダのメジャランド(MEASURAND)社の製品で、新川電機が日本代理店として販売を行っている。地中変位計は、トンネル工事での天端沈下評価や内空変位計測、山地や河川沿岸など地滑り監視用など、さまざまな分野で使用される。

 従来の地中変位計に比べて、センサ部の最大外径が約27ミリと3分の2に。センサを入れる穴の掘削時の負担が軽減され、専用ガイドパイプやケーシングも不要。鋼管や塩ビ管を使用できる。

 従来の垂直方向に加えて、水平方向の設置も可能。天候などに左右されず、自動計測によるリアルタイムのデータ収集が可能となっている。イニシャルコストは、従来製品比で2~3割削減できる。センサの最大長は100メートル。

 センサのシステムはSAA専用変換器とUSBケーブルで無償ソフトを入れたパソコンに接続して計測する「PC接続」、データロガー(計測・収集したデータを保存する装置)で遠隔操作・データ取得が可能な「ロガー接続」の2種類があり、ユーザーの用途に応じて提案していく。新川電機は日本代理店として販売、製品供給、アフターサポートなどを手掛ける。

 すでに海外では、ダムや道路などのインフラ整備やあらゆる建設工事、地滑りモニタリングで多くの採用実績がある。国内でも少しずつ実績が出てきており、引き合いも増加している。

 国内では、都市基盤やインフラ整備による土木工事が見込まれ、また自然災害による地滑り危険カ所も多くある。新川電機では、土木工事に関連してゼネコン、サブコン、関連下請け業者、地滑り危険地域当該自治体などへの販促を展開していく。

 同製品に対する問い合わせは、新川電機グローバル企画室(電話03―3263―4413)まで。

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