伸銅協会、「品質ガイドライン」策定 業界の品質管理レベル向上

 日本伸銅協会(会長・柴田光義古河電工会長)は26日、伸銅メーカーで相次いだ品質問題に対応し、品質管理に関するガイドラインを策定すると発表した。

 必要項目や注意点を指針として示し、会員各社の品質管理レベルを向上。伸銅業全体としてユーザーからの信頼回復に努める。

 遅くとも2018年4月までに策定する予定。

 10月以降会員社の約1割に相当する4社で品質に関する問題が発覚したことを受け、協会としてガイドライン策定による伸銅産業の信頼回復に乗り出した。現在までに品質管理対策検討小委員会を設置し検討体制を整備したほか、正会員全44社に対し品質管理に対する一斉調査を要請している。

 21日に設けた小委員会は幅広い品種や事業規模を網羅した9社の9人が参加。品質保証の専門家で構成され、委員長には古河電工銅条・高機能材事業部門の磯部剛技術企画部担当部長が就いた。今後は外部の専門家の知見活用も視野に入れている。

 一斉調査は25日付で要請。柴田会長名で品質管理に関する方針や体制、手続きに加えて分析機器や試験データの管理体制などについて回答を求める内容となっている。今後1カ月をめどに結果を集計し、その後発表する。調査過程で不適切事案が判明した場合は公表を促す方針。

 ガイドラインは一斉調査の結果と併せて、品質不正が発覚した会員社が取りまとめる再発防止策の内容も反映させる予定となっている。

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