新世代F1マシンをマッサが絶賛「おばあさんのようなドライビングから解放された」

 フェリペ・マッサは、2017年のF1レギュレーション変更で新スペックのF1マシンが導入されたことによって、10年前のマシンと同様に全力で走ることができたと語っている。

 ワイドタイヤの導入やダウンフォースの増加により2017年のF1は一変した。コーナリングスピードが上昇し、ドライバーたちへの身体的な負荷が昨年までよりも大きくなった。

 モータースポーツの頂点であるF1で15年間走り続け、今シーズン限りで引退したマッサは、2017年仕様のマシンは10年前、つまりフェラーリに所属し、自身のキャリアで最も脂の乗っていたころに乗っていたマシンを思い起こさせると述べた。

「ドライブが楽しいマシンだったという意味で、あれ(2017年型マシン)のことは絶対に忘れないよ」とマッサ。

「普通に走行しているとき、Gフォースや身体感覚がとても気持ち良いんだ」

「こうしたマシンで完璧なラップを走るには、的確にマシンを扱えるドライバーでなければならない。以前のマシンだと、タイヤのグリップを失ったり、おばあさんのようにゆっくりドライブしなければならなかった。でも今のマシンならドライバーとしての力を発揮できる」

「おそらく2006年、2007年、2008年、あるいはもっと前のマシンに似ている。今のマシンはすべてを受け入れる用意ができているから、ドライバーはリスクを取ってでも、状況に応じてあえて攻撃的なドライビングをすべきなんだ」

 マッサは操作が難しい現行のマシン規格に大賛成の立場だが、それでもオーバーテイクが難しいという問題が残っていることを残念に思っている。空力の影響で、コーナーで高速のまま前のマシンにぴったりついていくことが妨げられるのだ。

「ひとつだけ変える必要がある。他のマシンにもう少し接近していられる方法を考えなければならない」とマッサは言う。

「ダウンフォースは十分に得られているけれど、空気が必要だ。そうでないと前にマシンがいるときにはダウンフォースとグリップが失われる」

「オーバーテイクを増やすために、リバティ(・メディア)が、前のマシンにもう少し近づくことができるよう、マシンのフロアか何かを改善する方法を見つけることができれば、ショーの面で良い効果を得られるだろう」

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