東彼支局/そのぎ茶“4冠”達成

 東彼東彼杵町は特産の「そのぎ茶」で沸きに沸いた。9月の全国茶品評会の蒸し製玉緑茶部門で、尾上和彦さん(41)が最高賞の農林水産大臣賞を獲得。町も産地賞を受賞し、悲願の日本一に輝いた。

 11月には、お茶の鑑定技術を競う全国茶生産青年茶審査競技会で大場真悟さん(29)が県勢初の頂点に。締めは12月。消費者が審査する「日本茶AWARD(アワード)2017」で茶卸問屋「岡田商会」が大賞に選ばれた。町内の生産者と茶商が力を合わせ、“4冠”の快挙を達成した。

 渡邉悟町長は「関係者の長年の努力が報われ、最高の1年になった」と笑顔が止まらなかった。

 「2018年は勝負の年になる」。日本一という“看板”を手に入れた関係者は、口をそろえる。全国的にはまだ知名度不足。首都圏を中心にPRを強化していく中、産地が一体となって、誰に、どのように売っていくのか具体的な戦略を描けるかが普及の鍵を握るだろう。

 次世代を担う生産者の一部では輸出を視野に入れた動きもある。新たな可能性を見いだせれば、産地としてさらなるステップも期待できそうだ。(熊本陽平)

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全国茶品評会での好成績を喜ぶ関係者=東彼杵町役場

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