東工大など、新しい「ダイヤモンド量子発光体」を形成

 科学技術振興機構(JST)は、東京工業大学と産業技術総合研究所、物質・材料研究機構、ドイツ・ウルム大学の共同研究グループが、錫を導入したダイヤモンドを高温高圧下で加熱処理し、錫と空孔からなる新しい発光源(カラーセンター)の形成に成功したと発表した。

 これまで研究されていたダイヤモンド中のカラーセンターの欠点である低発光強度、不安定な発光波長位置などの課題を解決する可能性がある技術として長距離量子ネットワーク構築のための量子メモリーとしての応用や量子センサーなどでの応用展開が期待されている。

 同研究グループでは、イオン注入法によって錫を導入したダイヤモンドを、2千度を超える高温高圧条件で加熱処理し、選択的に錫―空孔センターのみを形成。理論計算や低温計測により、従来のカラーセンターの課題をすべて解決する可能性があることを明らかにした。

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