三陽商会、管理組織など大幅改編へ 機能・業容拡大へ拠点網整備

 伊藤忠丸紅鉄鋼100%事業会社でプラント鋼管流通、交通機材関連の製造販売を行う三陽商会(本社・東京都中央区、社長・上山丈夫氏)は、グループの新中期経営3カ年計画がスタートする来期(19年3月期)、社内の営業・管理組織の大幅改編を計画中である。よりユーザーニーズ、物件を捕捉しやすくするため、各分野の営業部隊に横串を通して連携を強化。また、機能や業容拡大に向けて、全国にある在庫・加工拠点の整備・拡充も必要箇所から行っていく。

 社内の営業・管理組織は、メーカーや取引先の再編動向に対応した組織に大幅刷新する。来期からは、エネルギー・プラント、鋼管・インフラの両本部傘下の営業部隊に横串を通す「総括」機能の組織を新設する予定だ。さらに管理本部内に経営企画・営業支援を行う部署の新設も検討している。

 拠点の整備は、今夏から鋼管・インフラ本部の拠点である関西支店(大阪市西成区)の倉庫2棟の耐震補強・改修工事を行っており、年内に完了予定。今後は中国支店(広島県福山市)、九州有明営業所(熊本県荒尾市)、名古屋営業所(愛知県海部郡飛島村)などで新規倉庫設置も含めた拡張を検討。

 また、関東以北のインフラ関連事業に注力するため、関東支店(千葉県市原市)の増床を含めた機能強化も行う。

 海外事業では、昨年シンガポールに設立した現地事務所で日系プラントメーカーの需要などを積極的に捕捉。現在は連絡事務所で、次期中計期間中に営業所組織にすることも視野に入れている。

 三陽商会は今期、道路資材関連で幹線道路需要が少ない中で地方の標識柱更新需要などを地道に受注。ゴミ処理施設関連や住宅・非住宅向け基礎杭関連の堅調な需要に支えられ、上期ベースで4期ぶりに上期予算を確保しており、今期の通期予算も早期の達成を目指している。

 今後、LNGプラント関連や基礎杭、農機具向けのSTKM(機械構造用鋼管)の需要回復も見込まれることから、社内の営業、在庫・加工体制の強化で業容拡大を目指していく。一方で、伊藤忠丸紅鉄鋼事業会社間、特にニッコー、協成、太平産業などと共に物流体制を中心に4社間でさらなる協業を進めていく。

 来年3月には創業95周年を迎えるが来期からは2023年の100周年に向けての力強い歩みをスタートさせる。

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