現代野球に欠かせない救援投手 日本球界で今オフ“1億円プレーヤー”続々誕生

DeNA・山崎康晃【写真:荒川祐史】

救援投手の価値は年俸にも反映、メジャーでは5年97億円超が最高額

 球界ですっかりおなじみのワードとなった「勝利の方程式」。アメリカだけでなく、日本球界でも盤石の中継ぎ陣を擁するチームが頂点に立つことで、救援投手の価値は一層高まった。そして近年その評価は年俸にも確実に跳ね返っている。

 メジャーリーグでは昨オフにカブスからフリーエージェント(FA)となった剛腕守護神アロルディス・チャプマンがヤンキースと5年総額8600万ドル(約97億2000万円)で契約。これは救援投手史上最高額だった。

 同時期には同じくナショナルズからFAとなっていた守護神マーク・メランソンがジャイアンツと4年6200万ドル(約70億円1000万円)、ドジャースからFAとなった守護神ケンリー・ジャンセンが同球団と5年8000万ドル(約90億円)で契約を結んだ。近年、年俸が高騰しているメジャーだけにその金額も破格となっている。

 一方、今オフは日本人の救援投手でも億単位の年俸に到達した救援投手が複数いる。その面々を以下にまとめてみたい。

DeNA山崎康は一気に1億5000万円に

山崎康晃(DeNA)7000万円増の1億5000万円
68登板4勝2敗26セーブ、防御率1.64

松井裕樹(楽天)5000万円増の1億4000万円
52登板3勝3敗5ホールド33セーブ、防御率1.20

岩嵜翔(ソフトバンク)6800万円増の1億3000万円
72登板6勝3敗40ホールド2セーブ、防御率1.99

森唯斗(ソフトバンク)4300万円増の1億3000万円
64登板2勝3敗1セーブ33ホールド、防御率3.92

福山博之(楽天)4500万円増の1億2000万円
65登板6勝0敗23ホールド7セーブ、防御率1.06

中崎翔太(広島)3000万円増の1億1500万円
59登板4勝1敗25ホールド10セーブ、防御率1.40

増田達至(西武)2000万円増の1億1500万円
57登板1勝5敗4ホールド28セーブ、防御率2.40

田島慎二(中日)2800万円増の1億1000万円
63登板2勝5敗34セーブ、防御率2.87

Dバックス入りの平野は2年で最大9億円に

 上記のように各球団で守護神、セットアッパーとして存在感を放つ投手たちが続々と1億円に到達。特に松井裕はプロ4年目の22歳にして一気に大台に乗せた。山崎康も大卒の25歳ながらまだプロ3年目。また中崎や森も20代中盤ながら救援での活躍が評価され、順調に年俸を上げている。

 助っ人では今季日本記録の54セーブを記録したソフトバンクのデニス・サファテ投手が5億円。また日本人では同じく五十嵐亮太(ソフトバンク)が46登板6勝0敗11ホールド、防御率1.73の成績で1000万円増の3億6000万円を得ている。

 また2億円超えでは藤川球児(阪神)の2億円(現状維持)、山口鉄也(巨人)2億2400万円(9600万円減)がおり、オリックスから海外FA権を行使してダイヤモンドバックスと契約を結んだ平野佳寿は2年契約で出来高を含めると総額800万ドル(約9億円)に達する可能性もある。

 分業制が進み、各チームが重視するようになった救援投手。登板過多のリスクが叫ばれる一方、その需要は大きく、今後その年俸もさらに高まっていくに違いない。(年俸は推定)

(Full-Count編集部)

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