偉業相次ぐ鳥谷、10年目右腕覚醒、衝撃移籍…金本阪神、2017年10大ニュース

今季、2000安打を達成した阪神・鳥谷敬【写真:Getty Images】

まさに超人、骨折してもグラウンドに立ち続ける鳥谷

 3年ぶりに貯金を作り、2位に食い込んだ阪神。投手陣はリーグトップの防御率を記録し、特に救援陣の奮闘が際立った。クライマックスシリーズ(CS)ファーストステージで3位・DeNAに敗れて涙を飲んだが、2018年に向けて期待を抱かせるシーズンとなった。そんな阪神の2017年を10個のニュースと共に振り返ってみたい。

〇顔面死球も関係なし、鳥谷の連続試合出場記録は継続

 5月の巨人戦(甲子園)で顔面に死球を受け負傷退場し、鼻骨骨折と診断された鳥谷敬内野手。だが、翌日にはフェースガードを着用し代打で出場。その後も試合に出場し連続試合出場は新人だった2004年から1895試合まで伸ばした。今季は3年ぶりの打率3割到達はならなかったものの、史上50人目の2000安打、15人目の1000四球も達した。

〇プロ10年目の桑原が覚醒

 前年、1軍出場なしに終わった右腕・桑原謙太朗投手は自己最多の67試合に登板し4勝2敗、防御率1.51を記録。43ホールドポイントをマークし初タイトルとなる最優秀中継ぎを獲得した。マテオ、ドリスと共に勝利の方程式としてリーグ屈指のリリーフ陣を支えた。

〇まさかの大不振…制球難に陥った藤浪

 藤浪晋太郎投手は今春は第4回WBC日本代表に選出されたがペナントが始まると制球難に苦しみ11試合、3勝5敗、防御率4.12と全ての面で自己ワーストを記録。プロ入り後、初となる不振による2軍落ちを経験した。

史上初5投手が60試合登板、球史に残る“泥試合”

〇鉄壁のリリーフ陣、史上初5投手が60試合登板

 救援陣の活躍が際立った今年の阪神。桑原が67試合、岩崎優が66試合、ドリス、マテオが63試合、高橋聡文は61試合に登板。5投手が60試合に登板したのはプロ野球史上初のことだった。チーム防御率はリーグトップの3.29。中継ぎ陣の踏ん張りが2位の原動力となった。

〇ドラ1ルーキー・大山が4番に座る

 今季ドラフト1位で入団した大山悠輔内野手は9月1日の中日戦(甲子園)で「4番・一塁」でスタメン出場。阪神の新人がスタメンで4番に起用されるのは1964年の富恵一氏以来、53年ぶりのことだった。今季は75試合に出場し打率.237、7本塁打、38打点を記録した。

〇CSで見せた球史に残る“泥試合”

 10月15日、甲子園で行われたクライマックスシリーズ第1ステージ第2戦。試合は雨のため1時間以上遅れて開始されたが、内野グラウンドは水たまりができ、田んぼ状態。阪神、DeNA両軍ともユニホームを泥だらけにしながら戦い抜いた。結果は6-13で阪神が敗戦。翌日も連敗し、CS第1ステージで敗退した。

守備職人の大和が衝撃のFA移籍、待望の大砲獲得

〇大和がFA宣言、同一リーグのDeNAに移籍

 虎が誇るユーティリティープレーヤー大和がFA権を行使して退団を決意。DeNAに移籍した。内外野で鉄壁の守備を誇り、今季からスイッチヒッターとしても活躍。球界屈指の守備力を誇る男が虎に別れを告げた。

〇安藤、新井、狩野…ベテラン勢がユニホームを脱ぐ

 虎一筋16年の安藤優也投手、同じく虎一筋17年の狩野恵輔外野手、そして中日から移籍してきた新井良太内野手が引退を表明した。安藤、新井良は育成コーチに就任しファームで後進の指導にあたる。

〇西岡が大ケガから復帰

 昨シーズンの7月20日対巨人戦(甲子園)で左アキレス腱を断裂した西岡剛内野手。リハビリを乗り越え、7月17日の広島戦(甲子園)で1軍復帰した。「1番・一塁」としてフル出場し勝利貢献。ベテランでは異例となる秋季キャンプにも参加し来季に向け精力的に体を動かした。

〇待望だった大砲の獲得に成功

 来季の新外国人選手として今オフに韓国ハンファでプレーしたウィリン・ロサリオ内野手と契約。メジャー通算71本塁打を記録し、韓国球界では2年連続30本塁打をマークするなど長打が魅力の右投右打。野手助っ人には泣かされ続けた金本監督にとって待望の大砲獲得となった。

(Full-Count編集部)

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