【MLB】今オフのエ軍に「A」評価 大谷は「真のゲーム・チェンジャーになれる存在」

来季メジャーでの活躍が期待される大谷翔平【写真:Getty Images】

大谷以外にも好選手を獲得「ついにトラウトを助ける存在を手に入れた」

 ナ・リーグMVPのジャンカルロ・スタントン外野手のヤンキース移籍、そして、日本ハムからポスティングシステム(入札制度)でエンゼルスに移籍する大谷翔平投手の話題などで、今年も大きな盛り上がりを見せているメジャーリーグのストーブリーグ。ダルビッシュ有投手、ジェイク・アリエッタ投手、J・D・マルティネス外野手ら、FA市場の注目選手の去就はまだ決まっていないが、米スポーツサイト「ブリーチャー・レポート」が現時点での各チームの動きを“格付け”している。

 評価はA、B、C、D、そして1つおいてFの5段階。まず、エンゼルスは最高の「A」とされた。大谷を獲得しただけでなく、ジャスティン・アップトン外野手と契約を延長。さらに、レッズからFAとなったザック・コザート内野手と契約し、イアン・キンズラー内野手をタイガースからトレードで獲得した。新たに加わった2人とメジャーNO1遊撃手のアンドレルトン・シモンズが形成する内野陣は、メジャー最高の守備力との呼び声が高い。

 記事では「ついにエンゼルスはトラウトを助ける存在を手に入れた」と指摘。アップトン、キンズラー、コザートの加入は攻守両面で大きなプラスになるとしている。さらに、「そして、ショウヘイ・オオタニだ」と大きな注目を浴びる23歳にも言及。メジャーで特別な存在になる可能性があると分析している。

「エンゼルスのフロントオフィス以外は、本当にオオタニをエンゼルスが獲得できるチャンスがあるとは考えていなかった。これで彼は二刀流選手として、真のゲーム・チェンジャーという存在になるチャンスを得たのだ」

 的確な補強に加え、二刀流という大きすぎる“ボーナス”にも恵まれたエンゼルスが来季、台風の目になる可能性は高い。

 また、ダイヤモンドバックスは「B」。オリックスから平野佳寿投手を獲得するなど、ブルペンを補強したことが高く評価された。記事では「ダイヤモンドバックスがオフに課題としている点は比較的多くはないが、最重要のポイントはセーブ失敗20を数えたブルペンの立て直しと、FAで退団したクローザー、ロドニーの穴埋めだ」と指摘している。

 今季はワイルドカードでプレーオフ進出を果たしたものの、ドジャースと対戦した地区シリーズで敗退したダイヤモンドバックス。さらなる躍進へ向け、救援陣の強化が不可欠であることを説明した上で「ブラッドリーが恐らくキャリアでも初めての最終回担当になるとみられるが、チームはボックスバーガーと平野というクローザー経験のある両投手を補強した」としている。今季、セットアッパーとしてブレークしたアーチー・ブラッドリーに、レイズで実績のあるブラッド・ボックスバーガー(トレードで獲得)、平野を加えた3投手が終盤3イニングを担う可能性が高い。まさに、ポイントを抑えた補強を進めているというわけだ。

平野は「終盤の大事な場面を任せられる存在に」

 また、平野については「日本のオリックスで過去5シーズンで143セーブを記録している。平均以上のスプリットと(打者を)惑わせるフォームを用いて、彼は終盤の大事な場面を任せられる存在になることもあるだろう」と予想。その上で「もし今日シーズンが始まるとすれば、Dバックスはとてもいい状態といえる」と、ここまでの球団の動きを高く評価している。

 この他、スタントンを獲得したヤンキースは「A」、デレク・ジーター新オーナーのもとで主力の大量放出を行っているマーリンズは「F」など、すでに各チームの“明暗”は分かれている。ただ、今後、大物FA選手の獲得、またメジャーならではの大型トレードが実現すれば、この評価がガラリと変わる可能性も十分にある。

 なお、「ブリーチャー・レポート」の各球団のオフシーズン格付けは以下の通りとなっている。

◯ア・リーグ

【東地区】
レッドソックス D
ヤンキース A
レイズ B
ブルージェイズ F
オリオールズ F

【中地区】
インディアンス D
ツインズ D
ロイヤルズ C
ホワイトソックス A
タイガース B

【西地区】
アストロズ C
エンゼルス A
マリナーズ D
レンジャーズ B
アスレチックス B

◯ナ・リーグ

【東地区】
ナショナルズ B
マーリンズ F
ブレーブス B
メッツ F
フィリーズ B

【中地区】
カブス B
ブルワーズ C
カージナルス B
パイレーツ D
レッズ C

【西地区】
ドジャース C
ダイヤモンドバックス B
ロッキーズ B
パドレス D
ジャイアンツ D

(広尾晃 / Koh Hiroo)

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