新春に2会場で浮世絵展 図書館ギャラリーと宮永美術館で 秦野市

『坂東しうかの召仕お千代』

 秦野市が所蔵する浮世絵を広く紹介しようと、新春に市内2会場で浮世絵展が開かれる。これまで市立宮永岳彦記念美術館市民ギャラリーで新春の展示が行われてきたが、2会場で同時に展示されるのは初めて。

 市では1998年に東田原出身の収集家、故・大津圓子さんから市に寄贈された1904点を所蔵しており、文化会館や同美術館で年に1回程度、浮世絵展を開催してきた。しかし、所蔵の半数程度しか展示できていなかったことから、展示の機会を増やすため、今年11月に市立図書館2階に常設の「はだの浮世絵ギャラリー」を創設。12月28日に終了した初回の展示に続き、同ギャラリーでも新春の展示を行うこととなった。

 市立図書館「はだの浮世絵ギャラリー」では1月6日(土)から2月25日(日)、「江戸の暦と四季折々の暮らし」を開催。歌川国貞『暦中段つくし 意勢固世身見立十二直』など、江戸の人々が使っていた暦と日々の暮らしを、四季折々の浮世絵28点で紹介する。午前9時から午後7時(火曜・祝日は5時まで)。月曜(祝日の場合は翌平日)と1月26日(金)、2月23日(金)は休み。

干支「戌」の浮世絵

 宮永岳彦記念美術館市民ギャラリーでは「戌年と干支にちなんだ浮世絵」が開かれる。展示期間は新年1月3日(水)から8日(月・祝)まで(4日(木)は休館)。全35点。午前10時から午後5時まで。

 同美術館でのテーマは、2018年の干支「戌」にちなんだもの。歌川国芳の浮世絵『坂東しうかの召仕お千代』など犬が描かれたものや、犬が物語の重要な役割を持つ『南総里見八犬伝』の浮世絵などを展示。ほかにも、十二支の動物が描かれた作品も紹介されるという。

 展示はどちらも入場無料。問い合わせは市生涯学習文化振興課【電話】0463・84・2792へ。同課では「新春にふさわしい浮世絵です。ぜひ来場を」と呼び掛けている。

『暦中段つくし 意勢固世身見立十二直 取 極月の餅搗』

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