長崎・諏訪神社、ヒノキ香る休憩所完成

 長崎市上西山町の諏訪神社は、大勢の参拝客が見込まれる正月三が日を前に、拝殿下の中庭にある「西廻廊(かいろう)」を休憩スペースに改築した。広さ約50平方メートルの室内にはテーブルや自動販売機などを新設。柔らかい木の香りの中でくつろげる空間へと様変わりした。

 高台にある諏訪神社の境内には所々にベンチがあるだけで、屋内の休憩所がなかった。そこで、祭儀の道具を置く倉庫や雨天時の催事場に使っていた西廻廊を、年間を通じて参拝者が快適に過ごせる場所に有効活用。約1カ月半の工事期間を経て、正月前の12月下旬に完成させた。

 こだわりは「温(ぬく)もり」。梁(はり)や柱の一部を香り高いヒノキに取り換えたほか、木製のテーブルや椅子を並べて統一感を演出。和紙で包んだ電球からは、ふんわりと光が漏れる。年間を通じて快適性を保つために空調機を完備。参拝後の歩き疲れた体を癒やせる「和の空間」に仕上げた。利用した福岡市の大学院生、尾塚美月さん(23)は「真新しい木の香りがいい。一息つくのにぴったり」と笑顔で話した。

 諏訪神社には正月三が日だけで毎年20万~25万人の参拝者が訪れるという。祭儀部長の宮田文嗣さん(55)は「神社に来た方に気持ちよく帰ってもらうための休憩所になった。三が日は、ここで甘酒を楽しんでみては」と呼び掛けている。

木の香りが漂う休憩スペース=長崎市、諏訪神社

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