商議所と障害児母親グループが連携 子育ての合間に在宅ワーク

 横須賀商工会議所は、障害児を持つ母親のグループ「sukasuka(すかすか)−ippo(いっぽ)」と連携した事業「よこすかテレワーク」を始めた。スキルはあるが子育てが忙しく、外で働けない−。そんな母親らが隙間時間を使い、市内企業のWEBページ作成や広告デザインなどを在宅で請け負う。同商議所は「地域に眠る人材を人手不足で悩む企業に有効活用してほしい」と話している。

 テレワークとは「tele(離れた所)」と「work(働く)」を合わせた造語で、情報通信技術(ICT)を使って場所や時間にとらわれない柔軟な働き方を表す。

 「sukasuka−ippo」は4月に一般社団法人化。運営するホームページでは「横須賀のバリアフリー子育て情報局」と題し、地域の障害者団体の情報やレジャー施設のバリアフリー事情、子育て手記などを掲載する。

 メンバーはいずれも子どもの送迎や通院などがあり、フルタイムで働くことが難しい。「決まった時間で決まった日数で働くことに対応できない」。こう話すのは、小学1年の次女(6)が遺伝子疾患「アンジェルマン症候群」の五本木愛代表理事(43)。小学1年の長男(6)が自閉症の竹島聡子理事(42)も「子どもの特性や季節の変わり目に体調を崩しやすいなど、翌日の予定が組めない」と子育ての現状を語る。

 同事業は11月に開始し、空き時間を使ってスキルやキャリアを生かしたいと、仕事をこなす「テレワーカー」はグループのメンバーを中心に現在14人。フリーペーパーの編集や経理、保育士など、さまざまな経験を持つ人材がそろう。これまでにイベントのチラシを制作した実績があり、広告デザインやWEBページ作成のほか、企業SNSの定期更新やイベントでの託児、アンケート結果の入力集計なども想定している。

 「バリバリ働いていたお母さんも多い。いきなり社会との接点をなくすのは、お母さんにとっても良くない」と五本木さん。今後は来年1月に広く子育て中の母親らを対象に説明会を開催。障害児を持つ、持たないに関係なく、働きたい母親を増やしたい考えだ。

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