レッドブルF1首脳、PU規則を決定するうえで重要視すべきは「ファンの意見」と主張

 レッドブルF1のモータースポーツコンサルタントを務めるヘルムート・マルコは現行のエンジン規則を気に入っているものの、将来的な規則を決定するうえではファンの意見が最重要視されるべきであると考えている。

 F1のスポーツ担当マネジングディレクターであるロス・ブラウンと、専門家によるチームは2021年以降のパワーユニット草案をまとめている。しかし当初の案はフェラーリとメルセデスの賛同を得られなかった。

 フェラーリ会長のセルジオ・マルキオンネは、リバティ・メディアがレベルの低いエンジンで標準化を目指すのであれば、2020年シーズン終了後にF1を撤退すると発言。メルセデスのトップであるトト・ウォルフもまた、F1はテクノロジーの頂点であるべきだとの考えを示している。

 しかしながらマルコは、ブラウンがまとめ上げたシンプルなハイブリッド・パワーユニット案は正しい方向性であると考えており、Formula1.comに対して以下のように語った。

「正しい方向に向かっている。以前のようにできないことは明白だ」

「規則は複雑過ぎる。ファンは王様であるべきなんだ。何が起きているのかが、彼らにも簡単に分かるような状況でなければならない。現行のエンジン規則では、それは不可能だ」

 2015年にハイブリッド・パワーユニットが導入されて以来、レッドブルはルノー製エンジンに苦しめられている。昨シーズンはMGU-Hなど、パワーユニットのハイブリッド・コンポーネントに関連する信頼性の問題が頻発し、ルノー自身もこれに悩まされていた。

 2017年のタイトルを獲得したメルセデスは、この分野を完全にマスターしている。そのためマルコは、メルセデスが新規則について消極的な反応をすることは予測可能だったと言う。

「もちろんトト・ウォルフの立場も理解できる。もし彼があのエンジンを失うことになったら、アドバンテージの大半を失うことになる。彼はそうならないようにと反対しているのだ」

「結局どうなるだろうか? 技術的にシンプルで低価格かつ、音の大きなものになるだろうと思う。我々はそうした方向に向かっているのだ」

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