最速153キロの19歳、5年目の和製大砲…楽天の2018年期待の若手

楽天・古川侑利【写真提供:東北楽天ゴールデンイーグルス】

藤平、宋家豪、安楽といった面々の成長にも期待

 2017年は開幕から首位を快走しながら、終盤の大失速で3位に終わった楽天。クライマックスシリーズでは逆転を許した2位西武に雪辱を果たしてファーストステージを突破したが、ファイナルステージではソフトバンクに2連勝の後で3連敗を喫し、敗れ去った。

 2016年に就任した梨田昌孝監督は今季で3年目。打者ではウィーラー、ペゲーロ、アマダー、投手ではハーマンの外国人選手は残留し、新たにオコエ・ディクソン外野手が加わる。茂木栄五郎内野手や島内宏明外野手といった面々も主力に成長し、高梨雄平や森原康平といったルーキー投手が1年目から活躍。着実に戦力の上積みができていると言えるだろう。

 さらに、台頭を期待させる若手も多い。その筆頭が2年目になる藤平尚真投手、そして昨季終盤に頭角を表した台湾人右腕の宋家豪だ。今年で4年目となる安楽智大投手は、そろそろブレイクか。ドラフトでは1位で岡山商大の近藤弘樹投手、2位で慶応大のスラッガー岩見雅紀外野手などが加入し、こちらも楽しみな存在だ。

 5年ぶりの日本一を目指す2018年。より一層、戦力を充実させたい中で、躍進が期待できる選手は誰か。ここでは1軍経験のほとんどない選手の中から、期待の若手をピックアップしてみたい。

古川は昨季イースタンで8勝、内田は本塁打王、島井は盗塁王

○古川侑利投手
 2013年ドラフト4位で佐賀・有田工から入団。最速153キロ、常時140キロ台中盤の真っ直ぐを投げ込む右腕だ。高いポテンシャルを秘め、2018年シーズンが5年目となる。昨季イースタン・リーグでは17試合8勝4敗、防御率2.81と上々の成績を残した。1軍でも5試合に投げたが、0勝2敗とプロ初白星はお預け。それでも10月5日のロッテ戦でサヨナラ負けを喫したものの、9回を完投。7安打3失点と好投しており、今季のローテ入りを期待させる。

○内田靖人内野手
 2013年ドラフト2位で常総学院高から楽天に入団。1年目の2014年に1軍デビューを果たし、2016年には17試合でプロ初本塁打を含む2本塁打を放った。昨季は7試合21打席で1安打のみに終わったが、イースタン・リーグでは109試合で18本塁打を放ち、本塁打王に輝いた。2軍打率.234と粗さはあるものの、そのパンチ力は魅力的。茂木、島内が生え抜きでの2桁本塁打を達成しているものの、長距離砲というタイプではなく、内田には真の和製大砲としての期待がかかる。

○島井寛仁外野手
 興南高、西原高、ビッグ開発ベースボールクラブ、熊本ゴールデンラークスを経て、2012年のドラフト5位で入団。2年目の2014年オフに育成契約となったが、今季から再び支配下契約となる。育成選手だった2017年はイースタン・リーグで61試合に出場し、105打数31安打の打率.295を記録。28盗塁はリーグトップで、イースタンのタイトルを獲得した。内田とは真逆のタイプでスピードが武器。2018年は6年目。1軍経験はないが、育成から再び這い上がってきた力に期待したい。

(細野能功 / Yoshinori Hosono)

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