長打率6割超の大砲候補に俊足巧打の19歳、甲子園V腕…西武2018年期待の若手

西武・愛斗【写真:(C)PLM】

山川、源田ら野手の台頭が際立つ近年の西武

 夏場に怒涛の13連勝をマークし、逆転でパ・リーグ2位に食い込んだ2017年の西武。クライマックスシリーズファーストステージでは楽天に苦杯を喫したものの、辻発彦監督の就任1年目は、収穫の多い1年となったことだろう。

 後半戦に山川穂高が覚醒し、ルーキーの源田壮亮が新人ながら遊撃手としてフルイニング出場を果たした。11勝を挙げた野上亮磨がFAで巨人に移籍したことは痛手であるし、投手陣には手薄な感がまだ残るが、強力な打線を作り出す野手陣を中心に、戦力層は着実に厚みを増してきているといえるだろう。

 FAでの主力選手の流出などがありながらも、若手、特に野手での若手の台頭が目立つのが、近年の西武の特徴。それは2018年も同様で、楽しみな若手は多い。そこで、今季の台頭が期待される若手を3人ピックアップしてみたい。

鈴木は侍ジャパンU-18代表で、アジア選手権ベストナイン

○鈴木将平外野手
 2016年のドラフト4位で県立静岡高から西武に入団し、2018年が2年目となる19歳。高校時代は侍ジャパンU-18メンバーとしてU-18アジア選手権でベストナインにも輝いている。ルーキーイヤーは1軍出場こそなかったものの、イースタンリーグで101試合に出場。289打数81安打、打率.280の成績をマークしている。50メートル5秒8の俊足を誇り、イースタンでチームトップの15盗塁を記録。その一方で13の盗塁失敗もあって粗さも残るが、内野に比べると外野の定位置は固まりきっておらず、そこに割って入ることを期待される1人だろう。

○愛斗外野手
 鈴木より1歳上、花咲徳栄高から2015年のドラフト4位で入団した20歳である。2年目の昨季、イースタンリーグで目覚ましい成長を感じさせた。故障での離脱などもあって43試合の出場に止まったが、148打数53安打8本塁打25打点、打率.358の好成績をマーク。長打率も.615を記録し、OPSは1を超えた。6月16日の中日戦で1軍デビューを飾り、9試合に出場したが、初安打はならなかった。3年目となる2018年、鈴木とともに秋山翔吾以外のレギュラーが固まりきっていない外野の一角を奪うことを期待されている。

○今井達也投手
 2016年のドラフト1位で作新学院高から入団した夏の甲子園優勝投手。1年目の昨季は右肩の故障に苦しみ苦難のシーズンを送ることになったが、イースタンリーグ7試合で1勝0敗、防御率2.35の成績をマーク。ルーキーイヤーは故障に悩まされる1年となったが、そのポテンシャルは際立つものがある。2018年はまず万全で投げられる状態を作り、ファームで登板を積むことが求められるだろうが、1軍のマウンドに立つ姿を見てみたい投手である。

(広尾晃 / Koh Hiroo)

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