新春特別企画 市長インタビュー 市制40周年でさらなる躍進を 綾瀬市

インタビューに答える古塩市長

 2018年の幕開けにあたり、本紙では古塩政由綾瀬市長に恒例の特別インタビューを行った。古塩カラーが明確になった昨年1年を振り返りつつ、市制施行40周年を迎える新年度への抱負を語ってもらった。        (聞き手/綾瀬編集室 綾部貴教)

 ――あけましておめでとうございます。昨年、2017年は初の予算編成などで「古塩カラー」が明確になったのではないかと思いますが、どのような1年だったかお聞かせください。

 「市長就任後、2回目の新年を迎えました。時の経過と共に、市民の皆さまの期待の大きさや責任の重さを改めて実感しています。

 今年度は、所信表明で掲げた5つの政策を柱として、『子育てと産業活性化』に重点を置いた事業を多く計上する予算となりました。併せて、人的資源の最大活用を目的に機構改革を実施し、社会環境の変化に迅速に対応するための組織体制への変革を行っています。

 政策を具現化するための予算編成と、実行するための組織整備が実施できたことで、この綾瀬を市民の皆さまと一緒に『市民との共同作品』として作り上げ、発展させるための第一歩を踏み出すことができたと考えています」

 ――大きな事業としてはかねてより整備が進んでいた保健福祉プラザの開所がありました。この施設が担う役割と、今後について教えてください。

 「保健福祉プラザは、市政の最重要課題である少子高齢化に対応するための機能を集約し、地域福祉社会の実現を担う拠点として整備を進めてきました。

 本施設には、福祉・介護・保健・医療の連携強化を目的として、妊娠期から子育て世代、高齢者、障がい児者などの多様な相談に対し、保健師や社会福祉士などの専門スタッフが連携を取り、総合的な保健福祉サービスの提供を行える体制が整備されています。

 皆さまの憩いの場となり、地域福祉活動の拠点としての機能をさらに高めるため、市民の皆さまのニーズを的確に捉えた運営をしていきたいと考えています」

市内産業等の状況

 ――これまで推進してきた産業活性化施策強化のため農・商・工の3課が集約されましたが、それぞれの状況をお聞かせください。

 「機構改革では、本市のさらなる経済発展に向け農商工の産業分野に集中的かつ強力に取り組むため、産業振興部を新設しました。

 農業では、『最速』をなぞらえた『菜速』と銘打った新鮮なトウモロコシなど

が大手百貨店のほか、北海道にも出荷されるなど、綾瀬産野菜の高い品質が認められ、知名度が着々と向上していると感じています。

官民一体で地域活性に活路課題はスマートIC(インターチェンジ)の早期開通

 工業では、市内異種企業の若手社員を対象とした合同入社式・合同研修を行い、将来の『あやせ工場』を担う人材の育成支援を行っています。市内企業が持つ優れたものづくり技術を活かすため、行政が多角的な支援を行い、『ものづくりのまち綾瀬』のブランド化を推進していきます。

 商業では、『光・食・文化の祭典』がかながわ観光大賞の優秀賞を受賞しました。これは、観光客の増加や地域活性化などへの貢献を評価していただいたもので、市内商業の活性化へと繋がる取り組みが、着実に実績を積み重ねています」

「ロケのまち」に向け

 ――昨年も様々な取り組みが見られましたが、シティプロモーション事業の現状はいかがでしょう。

 「『綾瀬市まち・ひと・しごと創生総合戦略』では、交流人口の獲得を目指し、本市の魅力を広域的に発信する取り組みの充実強化を戦略目標の一つとしています。一昨年に開始した活性化応援寄附金事業は、シティセールスの推進と本市のファン獲得を目的とする事業として位置付けられ、都市の魅力だけではなく、綾瀬の特産品の魅力発信について、事業者の皆さまにご協力いただきながら、工夫を重ねているところです」

 ――同事業の一つ、「綾瀬ロケーションサービス」の進捗を教えてください。

 「2014年度にオープンしました『綾瀬ロケーションサービス』の取り組みは、これまで全国誌など各種メディアで取り上げられ、『ロケのまち 綾瀬』は『イケメンが集まるまち』として全国でも注目されるようになってきています。

 昨年放映されたTBSドラマ『コウノドリ』でも、市役所が病院の設定で使用されるなど、市民組織『ブタロケ隊』の皆さまと連携しながら、着実にロケ誘致の実績を重ねております。

 また、関係各所のご協力の下、市内7か所にロケ地看板を設置しました。これをきっかけとして、市民の皆さまや市外の方々には、『綾瀬ロケ地マップ2017』を手に、ロケ地巡りをより一層楽しんでいただきたいと思っています」

 ――昨年6月、(仮称)綾瀬スマートインターチェンジ開通遅延の可能性が示唆されましたが、現在の進捗はいかがでしょう。

 「用地の取得につきましては、インターチェンジの建設に必要となる全ての契約が終了し、現在は、権利者の方々などにご協力をいただきながら、工場の移転や建物の解体作業などが進められています。

 昨年3月に撤去された下原橋は、新たな橋台の築造が進められ、今春には新橋が架かる予定です。本体工事につきましても、今年から本格的に着手します。具体的な開通時期につきましては、鋭意精査しているところですが、なるべく早くお知らせしたいと考えています。

 このインターチェンジは、本市のまちづくりの骨格となる重要な施設ですので、引き続き早期開通を目指し、事業を進めてまいります」

新年度に向けて

 ――2018年度予算の見通しはいかがでしょうか。

 「歳入では、固定資産税で家屋の評価替えなどに伴う減収が見込まれています。

 歳出では、インターチェンジ関連事業や消防庁舎建設事業のほか、高齢化に伴う社会保障費の増加などから、厳しい予算編成となる見込みです。国などの補助制度の有効活用や継続事業のリニューアルなどを行い、財源確保の取り組みに、一層力を注いでまいります」

 ――2018年度の重点事業を教えてください。

 「交流人口の確保や地域経済の活性化に繋がるよう、道の駅のような地域振興施設の整備に向けて、検討を進めています。これまで積み重ねてきました産業活性化を図る取り組みにも引き続き注力し、地域の活力向上に向けた施策を実施します。

 また、急速に進行する高齢化に対応するため、綾瀬の地域特性に合わせた『地域包括ケアシステム』の構築を進めておりますが、今年度実施しました元気高齢者の調査分析などを活用しながら、地域福祉社会の実現に向けた施策を展開していく予定です。

 2018年は、市制施行40周年の節目の年です。市制施行記念日には、記念式典の開催を予定しているほか、記念事業の実施を通して本市が持つ魅力を市内外に発信していきます」

――今年1年の抱負と、市民の皆様へのメッセージをお願いします。

 「市制施行40周年を迎える年を祝いながら、『活力と魅力に満ちた綾瀬』を市民の皆さまと共に築いていきたいと考えております。本年も皆さまのご理解とご協力をお願い申し上げます」
 

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