茅ヶ崎市在住小笠原君 サーフィンの大舞台で優勝、世界へ 茅ヶ崎市

茅ヶ崎海岸でサーフボードを手にする小笠原由織君

 市内東海岸北在住の小笠原由織(ゆうり)君(17)が、日本のアマチュアサーフィン界のグランドチャンピオンを決定する大会で初優勝を果たした。日本代表の一人として出場する1月4日(木)からの世界大会を控える由織君を取材した。

 これまで積み重ねてきた経験を自信に、2017年シーズンは5月の全日本級別選手権4位、8月の全日本選手権(ジュニアクラス)3位などの成績を残してきた由織君。11月下旬に高知県東洋町で開催された、アマのグランドチャンピオン決定戦「11th ALL JAPAN SURFING GRAND CHAMPION GAMES2017」(グラチャン)は、日本サーフィン連盟(NSA)の主催・公認大会で得たクラス別ポイントランキングの上位選手のみが出場できる大会。各クラスのランキング上位の計264人が集結し、グランドチャンピオンを目指してシーズン最後のバトルを繰り広げた。

 小学校6年の時から6年連続でグラチャンに出場し、一昨年は2位に入るも優勝は逃し続けていた由織君。試合前の練習では「体調のピークをファイナルに持っていけるように」と調整を進め、ジュニアオープンクラスに出場した。試合では「ライバルであり、仲間でもあるしのぎを削ってきた選手たち」という強豪相手に、技の組み合わせやスピード、力強さを競った。由織君は、落ち着いた試合運びで大波を捉えて難易度の高いコンビネーションを決め、悲願の初優勝を達成。

 「運だけでなく、気合と集中力があった。上位の選手たちが出ている試合で勝てたのは大きい。競り合って優勝できたのはうれしいし、さらに自信につながる」と振り返り、NSA年間ポイントランキングもジュニアクラス2位、ショートボードクラス3位でシーズンを締めくくった。

プロとして飛躍の年に

 父・千明さん(53)の影響を受け、小1の頃からサーフィンを始めた由織君。始めは楽しさから波に乗っていたといい、大会に出ても「小学生の頃は全く試合で勝てず、この先どうなることかと心配していた」(千明さん)という。

 ここ数年は1年を通して戦う中で、体力を消耗する夏場の試合が苦手で結果を残せずにいたが、国内・海外での試合経験を重ね、安定した実力を出せるように。それでも由織君は「17年シーズンはグラチャン以外は優勝できなかった。まだ試合の駆け引きが未熟」と自身を厳しく分析する。

努力積み重ね高みを目指す

 現在はアレセイア湘南高校2年生。日々、通学前の早朝や放課後に茅ヶ崎海岸で波に乗り、休日は千葉の海岸で練習を重ねている。

 次の舞台は1月4日(木)から12日(金)までオーストラリア・カイアマのボンボビーチで開かれる世界大会「World Junior Championships」。日本代表の一人として出場し「ベスト4に入ること」を目標に掲げ、基礎技術を見直しながらトレーニングに励んでいる。

 千明さんは「学業との両立で大変だと思うが、両立しながら『世界のTOPツアーに入る』という目標に向かって真っすぐに突き進んでほしい」とエールを送り、今年からプロとして活動する由織君は「チャンピオンシップツアーに入ることを目指して日々試合で勝っていく」と飛躍を誓った。

波に乗る由織君(父・千明さん撮影)

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