『怖い絵』著者の中野京子さんが講演 横浜市青葉区

 たまプラーザ テラスで12月16日に、作家・ドイツ文学者の中野京子さんのトークショーが行われた=写真。

 同施設が主催するイベント「クラシヲテラスカレッジ」の一環。このイベントは、参加者が暮らしの中に新たな「気づき」を得ることができるようにと、昨年9月から行われている。

 中野さんは2007年に出版された著書「怖い絵」で、絵画が描かれた時代背景や隠された物語を解説し、新しい絵画の見方を提示した。今回の講演では、中野さんの新刊に合わせ「シンデレラ」のあまり知られていない一面を紹介。ディズニー作品とグリム童話集版、フランス人作家ペロー版を比較し、同じ題材でも時代や階級、文化の違いが描かれていることを話した。162人の来場者は、メモを取りながら真剣に耳を傾けていた。

 トークショー後にはサイン会も実施。来場者はトークショーの感想を中野さんに話すなどしてふれあいを楽しんでいた。参加した女性は「髪型の表現に身分が表れていることなど、今まで知っていたシンデレラとは違う、新しいことを知った」と感想を話した。中野さんは「何に対しても誰もが知っているイメージや常識を疑ってみてほしい」と話していた。

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