大学受験用問題集無料で貸し出し 無人機器で煩わしさを解消/秦野市 秦野市

手続きの様子。所定の場所に借りたい本を置き、バーコードに読み取り機をあてるだけで完了する

 秦野市は、はだのこども館(秦野市寿町)で昨年12月24日から大学受験用問題集の無人貸し出しサービスを始めた。無料で1人1回につき5冊まで、最大14日間借りることができる。

 受験用問題集の貸し出しサービスは、公共施設サービスの強化と家庭環境に左右されない青少年の学習環境等を整えるのがねらい。

 無人貸し出し機器は、2017年3月までの約2年間本町公民館で図書無人貸し出しサービス実証実験として使われていたもの。機器の移設などの費用は、クラウド・ファンディングを実施して募った寄付金478万円をあてた。また、問題集や参考書350冊は、教諭の意見他を参考にするなど厳選したものを揃えたという。購入費用は、ギフト商品等企画販売の(株)アイエンス(市内落合)からの寄付金100万円をあてている。

 無人サービスにした理由は、実証実験で高校生に好まれる特性が得られた結果を反映してのもの。「職員にこんな受験の参考書を使っている、このような勉強をしているのかなどを詮索されるのが嫌だと思う学生は多い。無人だとそのようなこともなく、気軽さが良いのでは」と市は話す。

 対象は原則18歳以下の市内在住・在勤者で利用に際し学生証や身分証明書を持参した上で事前登録が必要となる。今後は受験の相談ができるボランティアの配置などを検討していくという。市は「学生にとってより良い勉強ができる環境を整えることができれば」と話している。

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