1968年10月に本県など西日本一帯で発覚したカネミ油症事件から来年で半世紀。被害者が多い五島市のカネミ油症事件発生50年事業実行委員会(会長・下田守下関市立大名誉教授)は13日、これまでに死亡した油症被害者らの追悼会や油症について考える分科会などを、節目事業として来年11月ごろ開くことを決めた。
事業は、油症被害者をはじめ誰でも参加できる形で、会場は市中心部の施設。追悼会や分科会などメインの日の前後には、特に被害が集中する奈留、玉之浦両町でも何らかのイベントが催せないか検討する。事件を風化させないよう、油症関連資料の常設展示の規模拡大を市に求めることなども確認。今秋までに事業全体の具体的な中身を固める。
下田会長は「油症の認知は被害者とそうでない人との間で壁が厚い。化学物質や食品問題は子や孫の世代にも関わることであり、油症を知らない人にも足を運んでもらえる節目事業にしたい」と話した。
実行委は市が事務局で、被害者や支援者、有識者ら8人で構成。会合は本年度2回目。
(2017年07月14日掲載)