カネミ油症事件の被害者団体と国、原因企業のカネミ倉庫(北九州市)が救済策について意見を交わす3者協議が、16日に福岡市で開かれる。前回、被害者側は国に対し、新認定患者の救済や生活支援金(年間24万円)の増額など8項目を要望。被害者側にとってこれまで成果がほとんどない3者協議だが、7回目となる会合で国がどう回答するのか注目される。
要望はほかに▽生活の質を向上させる施策▽同居家族認定と認定基準の見直し▽カネミ倉庫の医療費負担に関する協定化▽新たな医療体制の創設▽医療費の完全無料化▽3年ごとの被害者救済法の見直し-。
国は前回、「難しい要望をいただいた」とだけ回答。一方で、患者への検診手帳交付など新たな支援策を発表したが、同手帳には何の優遇措置もなく、被害者側が求める支援策とは大きな隔たりがある。
新認定患者の岩村定子さん(66)=五島市奈留町=は「3者協議は救済に向けて議論が進まない上、要望もなかなか届かず希望が見えない。国は姿勢を改めるべきです」と話している。
(2016年1月13日掲載)