次世代救済「政治力で」 カネミ患者ら公明に要望

 1968年に西日本一帯で発覚したカネミ油症事件で、本県などの患者らが16日、被害当時に胎児だった人ら次世代の救済などを公明党に要望。国や原因企業カネミ倉庫による救済策の拡大が思うように進まない中、政治の力で進展を図るよう訴えた。

 要望書は、関東在住の被害者でつくるカネミ油症関東連絡会、支援団体カネミ油症被害者支援センター(東京)の連名。東京都内で同日、同連絡会の前島太共同代表(49)=五島市奈留町出身=が、同党カネミ油症問題対策プロジェクトチーム(PT)の江田康幸座長に要望書を渡した。未認定2人を含む全国各地の被害者計11人が同席し、それぞれ窮状を訴えた。

 患者認定をめぐっては2012年施行のカネミ油症被害者救済法で、認定患者と当時同居していた家族が認定されるようになったが、1969年以降の出生児は対象外。同法の見直しを検討する国、カネミ倉庫との3者協議でも、被害者側の要望に対し国は消極姿勢のままだ。

 会合は冒頭を除き非公開。同センターなどによると、県内の認定患者の子で被害当時胎児だった男性が、病歴を示して早急な救済を求めるなどした。終了後の取材に前島氏は「次世代の救済に向け、政治家の力を借りたい」と期待を述べた。

江田座長(右から3人目)に要望書を手渡す前島共同代表(同4人目)ら=衆院第2議員会館

© 株式会社長崎新聞社