全国のカネミ油症患者らの健康状態を調べる本年度の油症検診が12日、五島市玉之浦町を皮切りに始まった。未認定患者の認定診査も兼ねており、同町では認定患者68人、未認定患者13人の計81人が受診した。
油症検診は、全国油症治療研究班(事務局・九州大)から委託を受けた県が、国の補助金を活用し毎年実施。本年度は11月までに12府県で調べる予定。
同町の玉之浦診療所には朝から受診者が訪れ、皮膚科や内科など4項目の臨床検査をはじめ、ダイオキシン類の血中濃度や骨密度、血圧などの検査を受けた。未認定患者については、県油症対策委員会が検診結果を基に診査し、知事が油症認定の可否を通知する。
県生活衛生課によると、昨年度は同町で84人(認定73、未認定11)、県全体で197人(認定153、未認定44)が受診。新たに患者認定されるのは難しく被害者らは厳しい診断基準を疑問視している。
県内での油症検診は13日に五島市奈留保健センター(同市奈留町)、8月18日に県西彼保健所(長崎市滑石1丁目)でも実施。問い合わせは同課(電095・895・2364)。
(2016年7月13日掲載)
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