カネミ油症 長崎県被害者 受け止め慎重

 カネミ油症発症の仕組みを解明したという全国油症治療研究班の成果について、治療法がないまま長年苦しんできた本県の被害者は29日、慎重に受け止めた。

 体内に入ったダイオキシン類は、皮膚に加え内臓、神経などに複合的ダメージを与え、多様な疾病を併発させているとされる。

 カネミ油症被害者五島市の会の旭梶山英臣会長は、詳しいことは分からないとした上で「認定に結び付いたり治療に役立ったりするなら歓迎すべきだが」と述べるにとどめた。同会の宿輪敏子事務局長も「油症発覚から48年たつが、科学に救われたことはない。何かが解明されても、認定や治療、救済につながらない限り喜べない」と話した。

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