寄り添い決断する町政を 小野澤豊町長 新春を語る 愛川町・清川村

新年の意欲を語る小野澤町長

 2018年の幕開けにあたり、本紙では小野澤豊愛川町長に恒例の新春インタビューを行った。注目を集める半原水源地跡地の利活用や、2期目への意欲などを語った。(聞き手/愛川・清川版編集長 富永潔)

――任期最終年を迎えました。振り返ってお気持ちをお聞かせください

 「2014年の町長選は、町長と副町長が不在という異常事態のなか出馬させていただいた。町民の皆様の支えがあってここまで来ることができました。町長選では15項目の公約を掲げさせていただきました。できあがったもの、途中のものがありますが、おおむね着手することができた。また、近年は時代の流れが速く、要望も多様化しています。公約以外のご要望についてもできる限り応えてまいりました。子育て環境の向上では、子どもたちの長年の要望だった町立小・中学校の教室へのエアコン設置が実現しました」

――昨年の施策で印象的なものをお聞かせください

 「半原と厚木を結ぶ急行バスについてはテスト運行から本格運行に変わり、到着時間を10分短縮できました。ご利用の方からも好評をいただいています。また、2016年の『健康のまち宣言』をきっかけに、モデル地区として町内8カ所で健康づくりに関する事業を進めていますが、これを全町に広げていきたい」

拠点づくりはスピード感を

――半原地域での拠点づくりが注目を集めています

 「横須賀水道半原水源地跡地を活用した観光・産業連携拠点づくりにつきましては、構想案づくりから基本計画の策定に移行し、着々と進行しています。今年度末までには、地権者である横須賀市と土地の売買契約が締結できる予定です。現在は不動産鑑定などを進めています」

――愛川地区まちづくり協議会からも早期の実現に向け要望があがっています

 「町民の皆さんが自主的に立ち上がって愛川地区まちづくり協議会が設立されたことは、とてもありがたい。まさに行政と町民の協働で事業が進んでおり、素晴らしいと思います。活用策では、温浴施設や竹林を活かした施設などいろいろな要望をいただいている。皆さんの声を聞いて、どのような施設が最適か熟慮しながら、スピード感を持って実現したい」

――今年の重点施策についてお聞かせください

 「引き続き、子育て支援、高齢者支援、健康づくりを中心に、いろいろな施策を進めていきたい。現在、町内の中学校給食の研究を教育委員会とともに進めています。各小学校は自校方式で給食を作っています。昔に比べてクラス数は減ってきており、中学校の分まで作るキャパシティがあると思います」

――愛川町の定住促進の状況はいかがでしょうか

 「今の愛川町には約4万1000人の方が暮らしていますが、推計では10年先に約3万9000人まで減少する予想です。ですが、人口減少は日本全体的なものであり、減少のペースをいかに緩やかにするかが大切だと思います。自治体の合併なども話題になりますが、愛川町は全国約970ある町村で20番目に人口が多く、町民の皆さんの愛川町に対する想いも強い」

――町民活動も盛んです

 「町内にはスポーツや文化の活動団体が非常に多く、活発です。人口が減っても、毎日楽しく、明るく元気に過ごせるような町づくりをしていく必要性があると思います」

キーワードは「進化」

――町政運営で一番大切にしていることは

 「3年半町長を務めさせていただいて、大切だと思うことは『決断力』です。難しさはありますが、いかに町民に寄り添い、生の声を聞き、しっかり情報を集めて判断することが大切だと思います」

――今年6月に任期満了を迎えます。改選の年になるが、町長の想いは

 「まだ道半ばの事業もあり、町民の皆様の要望も対応しきれていません。これからもいばらの道が続くと思いますが、後援会の皆さんからの心強い後押しと励ましをいただいています」

――今年のキーワードは

 「町政においては『進化』です。様々な事業をより前に、より高く、進化していきたい。プライベートでは、味のある書道をやってみたいですね。リフレッシュする時間は大切ですから。まずは書に取り組む時間を作れるようにしたいですね」

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