大木区長インタビュー 「つながりで『三方よし』を」 2018年の抱負語る 横浜市南区

南区のマスコット「みなっち」の人形を手にする大木区長

 2018年の幕明けにあたり、本紙は南区の大木節裕(ともひろ)区長にインタビューを行い、就任2年目となった17年度の振り返りと今後の事業について聞いた。大木区長は南区内で地域を中心にしたさまざまな連携が進んでいるとした上で「『三方よし』を実現していきたい」と語り、人のつながりを意識した取り組みをさらに進めたいとした。

(聞き手/本紙・門馬康二)

 ――就任2年目となった2017年度のこれまでの取り組みの評価は。

 「区民のみなさんが日ごろから築いている顔の見える関係によって協力していただき、事業全体は順調に進んでいます」

地元愛を実感

 ――就任以降、顔の見える関係づくりを意識していましたが、昨年の成果はどう感じていますか。

 「連合町内会単位で地域の課題や解決法を話し合う地区懇談会では今年度、4地区でグループ討議、2地区が人口などのデータを用いて議論するなど、新しい工夫が見られました。制度としてではなく、風土として、日ごろから顔の見える関係があり、みなさんが地元を愛していると改めて感じました」

地域・学校が連携

 ――地域と学校、企業などの連携が増えています。

 「良い形で連携が進むケースが目立ちます。例えば、大岡小学校は総合学習で弘明寺商店街とコラボレーションし、横浜国大の留学生会館とも連携しながら、外国人向けに商店街のアピール動画作成を進めています。これにより、学校も商店街も留学生会館もすべての人がプラスになる『三方よし』が実現します。このような例はほかの学校でも山のようにあります」

 ――今年度は各事業の土台となる「地域の力」の応援に力を入れています。

 「さまざまな活動において、地域の関心、意欲、思いを大事にし、区役所も一緒に考えていこうというものです。地区懇談会の中で語られた良い事例をほかの地域にも共有するなどしています」

減災対策進む

 ――今年度の重点とした「減災」「健康」「賑わい」「子ども」の取り組みを振り返ってください。

 「減災では、災害時要援護者支援のため、自治会町内会への名簿提供を進めています。昨年11月末時点で206自治会のうち、115自治会が提供を希望しています。健康は、市のウォーキングポイント事業に関連し、『ウォーキング日記』を作りました。賑わいでは、桜まつりの際に仮設トイレを増やすなどしました。子どもは、居場所づくりに取り組む人のネットワークができつつあります。外国につながる子どもの学習支援やコミュニティづくりも動き出しました」

 ――今後、地域の力をさらに引き出すためにどのようなことが考えられますか。

 「まずは庁内で各課が有機的に連携し、地域の思いや意欲、工夫を横につなげていくことが大事です。来年度は、人と施設を結び付けられるような専門家の力も借りながら、地域のコーディネート機能を強化していきたいです」

 ――庁舎移転から間もなく2年になります。

 「土木事務所、消防署が一緒になったことで災害対応時の意思疎通はしやすくなりました」

 ――区民へメッセージを。

 「『共感と信頼』と横のつながりをいつも自分の中で咀嚼して、具体化するようにし、全力を尽くしていきます。職員ともその部分を大事にし、これからも住み続けたいと思える南区を作っていきます」
 

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