ダカール:競技3日目はトヨタ勢反撃。日野チーム・スガワラ、菅原義正はリタイア

 第40回大会となる2018年のダカールラリーは1月8日、ペルーのパスコ~サン・ファン・デ・マルコナまでの504kmで争われるステージ3が行われ、ナッサー・アル-アティヤー(トヨタ・ハイラックス)がステージ優勝。総合でも3番手までポジションを上げた。

 前日のステージ2同様、イカ砂漠を舞台に行われたステージ3はコドライバーのナビゲーション能力や高低差がさまざまな砂丘をクリアするドライビングスキルが問われる構成。SS距離は296km、リエゾン(移動区間)を含めた総走行距離は504kmで争われた。

 ステージ2ではコドライバーが体調不良を訴え、思うようにペースを上げられなかったアル-アティヤーだったが、この日はステージ序盤から独走。途中、パンクによるタイムロスがあったものの、ステージ2位を獲得したステファン・ペテランセル(プジョー3008DKR Maxi)に対し、4分5秒もの大差をつけて、ステージを制覇した。

 総合ではトップと12分15秒差の総合5番手から、トップと7分43秒差の総合3番手までジャンプアップ。プジョーのトップ3独占を阻止している。

 走行後、アル-アティヤーは「今日は2度もタイヤがパンクして、3分はタイムをロスした。それでも、ステージを制覇できたから大きな問題ではなかったね」とコメントしている。

「今日はプッシュしたけど、後先考えずに攻めることはしなかった。難しいコース設定だったし、どんな危険が潜んでいるか予想できなかったからね」

「今日はいいパフォーマンスを発揮できたから満足している。まだ戦いは始まったばかりだけど、トヨタ・ハイラックスは素晴らしいマシンだと信じているし、今後も今日のようにベストを尽くしていくよ」

ステファン・ペテランセル(プジョー3008DKR Maxi)

 
 総合首位はペテランセル、総合2番手はシリル・デプレ(プジョー3008DKR Maxi)とプジョー勢が維持。総合4番手にはセバスチャン・ローブ(プジョー3008DKR Maxi)が続いた。

 以下、総合5番手はジニール・ドゥ・ビリエ(トヨタ・ハイラックス)、総合6番手はカルロス・サインツ(プジョー3008DKR Maxi)、総合7番手はベルンハルト・テン・ブリンク(トヨタ・ハイラックス)と、TOYOTA GAZOO Racing SA勢とプジョー勢が入り交じる展開に。

オルランド・テラノバ(ミニ・ジョン・クーパー・ワークス・ラリー)

 一方、新型のバギーマシン『ミニ・ジョンクーパー・ワークス・バギー』などを投入するX-raid勢は苦戦。従来同様、四輪駆動を採用しているミニ・ジョン・クーパー・ワークス・ラリーを操るオルランド・テラノバの総合8番手が最上位となっている。トップとの差は35分19秒だ。

 また、このステージ3では2度のダカール覇者であるホアン・ナニ・ロマ(ミニ・ジョン・クーパー・ワークス・ラリー)が、SS終盤の砂丘を乗り越えるタイミングで横転。SSは走りきったものの、医師から病院で検査を受けるよう指示を受けたため、SS後のリエゾンを走りきることができなかった。

 市販車部門5連覇を目指すトヨタ車体は、クリスチャン・ラビエル/ジャン-ピエール・ギャルサン組328号車トヨタ・ランドクルーザーが部門首位、三浦昂/ローラン・リシトロイシター組337号車が部門2番手を維持。総合では328号車が28番手、337号車が38番手につけている。

 トラック部門に参戦している日野チーム・スガワラは、菅原照仁/高橋貢組511号車が総合9番手でステージ3を完走。

 しかし、菅原義正/羽村勝美組521号車は前日のステージ2中盤で砂丘に足をすくわれマシンがスタック。脱出に時間がかかってしまったこともあり、時間までにステージ3をスタートできずに大会リタイアを強いられた。

サム・サンダーランド(KTM450ラリー)

 二輪部門では、サム・サンダーランド(KTM450ラリー)が今大会2度目のステージ優勝を手にして、総合首位に返り咲き。総合2番手のケビン・ベナバイズ(ホンダCRF450RALLY)に4分38秒のギャップをつけている。

 前日、二輪部門トップに浮上したホアン・バレダ(ホンダCRF450RALLY)はステージ終盤にコースロストして15kmほど誤った道を走行。サンダーランドから27分49秒遅れのステージ28位に終わり、総合14番手までポジションを落とした。

 1月9日のダカールラリー4日目は、サン・ファン・デ・マルコナを中心に争われる構成で、SS距離は330km、総走行距離は444kmとなっている。

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