南区 地域別人口データを提供 課題・強みを可視化 横浜市南区

公開された人口などのデータ

 南区役所はこのほど、区内16の連合町内会別の人口や世帯の状況、災害想定状況などをまとめた「データ集」を作成し、ホームページ上で情報提供を始めた。人口・世帯データの詳細を明らかにすることにより、地域への理解を深めるきっかけ作りを目指す。区は「地区の課題や強みを客観的な数値で把握し、地域活動に役立ててほしい」と期待する。

世帯・災害想定も

 「データ集」は国勢調査を中心に各種統計データを使い、16連合町内会ごとに人口や世帯構成、災害の被害想定などがまとめられている。各地区ともA3判5ページ分の情報がある。

 人口では、年少(0〜14歳)、生産年齢(15〜64歳)、前期高齢者(65〜74歳)、後期高齢者(75歳以上)の比率を地区全体と町丁目別に地図上で色分けして表示。同様に人口増減率、単独世帯比率なども紹介。南区の平均の数値も示し、地区の特徴を文章で解説している。例えば、寿東部地区は「他地域と比べ、生産年齢人口と単独世帯の比率が非常に高い」と説明。同じような傾向を持つ地区としてお三の宮地区をあげるなど、具体的に紹介している。

 災害の被害想定では、元禄型関東地震が発生した場合の震度、慶長型地震発生時の津波浸水区域などが示されている。

状況を客観視

 これまで、南区全体の人口状況を他区と比較した統計資料などは公表されていたが、町丁目別のものはなかった。今回のデータは区が政策を立案する際に用いるような詳細なもので、データ集を作った南区区政推進課は「今まで”肌感覚”で語られていた地区の特徴や課題を客観的な数値を用いて明らかにすることで、地域への理解を深めるきっかけになれば」と期待する。

 団地や比較的新しい戸建て住宅が多い区西部と古い住宅が多い区東部では、人口構成やそれに伴う課題も異なる。詳細なデータを公表することで、地域ごとの活動やまちづくりに役立ててほしいねらいもある。同課は「地図に気が付いたことを書き込むなどしてほしい。さまざまな使い方が考えられるのでは」とも話す。

 区はすでに、データ集について町内会長らに説明しており、話を聞いた会長からは「こういうデータがあるとは知らなかった」などの声が出ているという。

活動の好例紹介

 区はデータ集に合わせる形で町内会活動の好例を紹介し、情報を共有する目的のソーシャルマガジン「キラリ」を発行。A4判4ページの中に自治会町内会が取り組む6つの活動を掲載。「担い手」「多世代交流」「連携」「福祉」の4テーマを設け、それに合った内容になっている。第2号を2月に発行予定。

 データ集と「キラリ」は区ホームページから閲覧することができる。

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