教会の月1食堂 開設1年 「楽しみながら地域交流を」 川崎市麻生区

まぶね食堂運営メンバーの小平さん(右)、渡邊さん(中)、石井牧師(左)

 区内下麻生のまぶね教会(石井智恵美牧師)が毎月1回、地域住民らと実施している食事提供の催し「まぶね食堂」が開設から1年を迎える。誰もが参加しやすい仕掛けなど、試行錯誤を繰り返しながら定着を図っている。

 まぶね食堂は一昨年の秋ごろ、各地で行われていた「子ども食堂」の取り組みを麻生区で始めようと石井牧師が思い立ったのがきっかけ。横浜市で行われていた子ども食堂を手伝っていた渡邊良子さん=下麻生在住=、同教会の役員、小平慎一さん=横浜市在住=ら6人と委員会を立ち上げ、地元の福祉作業所の協力も得ながら昨年2月から月1回の活動を開始。現在も教会ホールを会場に大人300円、高校生以下は無料で食事提供を行っている。

 当初は子どもの参加ゼロの月など活動の周知に苦労する中、何気なく参加児童と行ったホットケーキ作りが好転のきっかけとなった。食事作りに参加できると、子どもたちの間で話が広まり、その保護者や地域の高齢者など徐々に参加者が増えていった。「当初は隠れた貧困を支援しようと始めましたが、今は食事を通じた地域交流の場として少しずつ機能し始めました」と石井さん。小平さんは「子ども食堂のイメージにとらわれず、誰でも食事を楽しめる。スタッフも楽しんで活動している」と話す。

 1月20日(土)の開催で1年となるまぶね食堂。渡邊さんは「食事作りなどに参加できる要素があると喜ばれるので、今後は料理教室なども企画したい」と話している。まぶね食堂は毎月第3土曜正午から午後2時開催。詳細は同教会(【電話】044・988・1104)へ。

百合丘でも食事提供の場

 定期的な食事提供の場は百合丘でも実施されている。飲食店「漁魚の海」で毎月開催の「百合ヶ丘子ども食堂」(主催・NPO法人アイゼン)は次回2月19日(月)。詳細はフェイスブックページ(「NPO法人アイゼン」検索)で。

昨年12月のまぶね食堂の様子

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