三協立山、車載バンパー事業拡大 アルミ部材の需要増に対応

 三協立山は自動車用バンパー事業の拡大を目指している。中国天津の工場で生産量を増やすとともに、今後は欧州のアルミ形材の製造拠点でも生産を始める方針。グローバルな供給体制を整備し、世界的に成長する車載アルミ部材の需要を捕捉する。

 同社では日本・欧州・アジアでアルミ押出形材の事業を展開している。バンパーはアルミ押出形材に曲げや穴あけなどを施した加工製品。バンパー事業の強化を国内外の拠点でシナジーを発揮する施策の一環と位置付けており、供給拡大に向け日本が有する生産や営業などに関する知見を活用する。

 現在、欧州やアジアなどで展開する国際事業の収益力強化が全社的な課題。さまざまな取り組みでこれまでに損益は着実に改善しており、今後もバンパーをはじめ多くの製品で国際的にシナジーを創出。2019年5月期をめどに国際事業の赤字を解消させる。

 山下清胤社長は「バンパーなど自動車向けの製品供給には顧客の認証を含め1~2年前から取り組むことが必要。これまでの活動が実を結んできている」と話している。同社では自動車関連の海外事業として形材やバンパーのほか、タイ拠点で車載部品などに用いられるアルミ合金ビレットも手掛けている。

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