未来へ向け新たな挑戦 LUNASEA全国ホールライブツアー始動

 メンバー5人全員が神奈川県出身のロックバンド「LUNA SEA」が、約3年ぶりの全国ホールライブをスタートさせる。オリジナルアルバム「LUV(ラブ)」を引っさげ、2月3、4日には「カルッツかわさき」(川崎市川崎区)のステージに立つ。

 オリジナルアルバムは4年ぶり9作目。「僕たちの愛を届けたい」と12曲を編み上げた。ボーカルのRYUICHI(47)が「大切に育てた」という結晶は光に満ちている。

 タイトルの「愛」は、2014〜15年に16都市を巡った前回のツアーで、感じたファンからの「愛」を曲にして返したいと願ったから。コンセプトを決めず、それぞれが本能のままに曲を書いた。ギターのSUGIZO(48)は「設計図はなかったけれど、いい楽曲が集積した。本能のまま生まれた。これが40代後半の僕らの真実。デビュー25年目にして最も気に入っているアルバム」と自信を見せる。

 第一線を走り続ける5人に共通するのは「終幕から07年までの7年間、一切活動をしなかった僕らが帰る場所を守っていてくれた」ファンへの感謝だ。昨年12月23、24日にさいたまスーパーアリーナ(さいたま市中央区)で行ったライブでは、ツアーに先駆けて新曲をクリスマスプレゼントした。

 痛みや絶望。輝く未来。エネルギーあふれる楽曲は、賛否両論もある。SUGIZOは「未来に突っ走っているいま、過去ではなく未来のLUNA SEAを愛(め)でていただけたら」と反応を楽しんでいる。

 新しい取り組みは音楽だけにとどまらない。昨年5月には、環境問題などにも力を注ぐSUGIZOの提案で、燃料電池自動車から自身のエレキギターに電気を供給する、世界初の“水素ライブ”を東京・日本武道館で実施して話題を呼んだ。さらに埼玉公演では5人全員の機材に直接、燃料電池自動車から供給することに挑戦。ステージ裏には、トヨタ自動車「ミライ」とホンダ「クラリティ」を予備も含め計4台並べ、生まれたばかりの電気をステージに送った。

 RYUICHIは「音がはっきりしている」と初めての体験に驚き、SUGIZOは「いい音でエコで。とても素晴らしいことなので広めていきたい」と未来を見つめた。

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