高津区詐欺被害額 前年比3倍超に急増 発生件数は市内最少 川崎市高津区

区内の詐欺発生状況

 高津警察署によると、2017年に区内で発生した振り込め詐欺の被害総額が6193万円超で、一昨年の約3・4倍に増えたことが分かった。県全体では同時期の被害額が52億円超で過去最大になると見込まれ、同署は引き続き注意を喚起している。

 区内の昨年の被害額は過去最大だった2013年の約8500万円に迫った。また発生件数は未遂を含め35件で、一昨年比20件の増加。ただ、被害件数は市内最少で、阻止件数は36件と2番目に多かった。これについて同署は、単純比較はできないとしつつも「日頃から高津防犯協会や高津金融機関防犯協力会などが中心になって住民への注意喚起を行っているおかげではないか」と指摘する。

 区内では昨年5月にATM前で振り込め詐欺への注意を呼びかける無人機器「せっと君」が導入されるなど、官民連携の活動が活発だった。高津防犯協会の宮田良辰会長は「連携がうまくいっているのは関心を持ってくれている町会などのおかげ」と話す。

 一方で、頻繁に変わる詐欺の手口が、警察を悩ませている。昨年3月頃までは還付金詐欺などATMでの振り込みを誘導する手口が多かった。しかし、5月頃からはデパートの職員などになりすまして「キャッシュカードが不正に使われる危険がある」とカードを直接だまし取るケースが増えている。

 対策としては、家族が日頃から詐欺に関心を持って話し合うことが重要だという。具体的には電話口でのお金の話は詐欺と考えることや、使わないキャッシュカードや通帳は所持しないことを呼びかけている。また、犯人は肉声を残すことを嫌うため、留守番電話を設定して電話に出ないことも有効な手段だという。

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