三崎朝市に新名物 隠し味は「ケチャップ」 イタリア風マグロ汁 三浦市

煮込まれたマグロはホロホロと柔らかい

 三崎朝市協同組合(石渡秀樹理事長)は、三崎マグロとトマトケチャップを使った新メニュー「朝市汁」をこのほど考案した。1月14日(日)午前5時から開かれる初市(はついち)で、来場者に無料で振る舞われる(食数限定)。

 具材はマグロの尾の身、ダイコンのみ。アラの旨みと野菜の甘みが溶け出しただし汁に、すりおろしたショウガ、味噌とトマトケチャップを5対5の割合で加えてひと煮たち。最後にネギを入れ、味が馴染んだら完成というシンプルなレシピ。和と洋、意外にも見える組み合わせだが、素材の風味はそのままに、コクのある1杯に仕上げた。

 これは三崎朝市の新たな名物グルメの創出と、県が推進する食を通じた三浦半島4市1町のPR事業「三浦半島はイタリア半島プロジェクト」内の取り組み。企画には大手食品メーカー「カゴメ」が協賛し、これまで朝市組合理事らと試作や協議を重ねてきた。先月末には、調理実習を兼ねた試食会を実施。「ケチャップで魚臭さが消え、子どもでも食べやすい」などの声が聞かれ、評判も上々だ。

 同社管理栄養士の坂東弘子さんによると、トマトに含まれる栄養素「リコピン」を効率的に摂取できるほか、旨み成分の「グルタミン酸」によって半分の味噌の量でもコクが感じられ、通常の3割ほど減塩になるという。

 朝市汁は、21日(日)から会場内で販売予定。「三崎の味を楽しんでほしい」と石渡理事長は話し、「マグロのアラが手に入るのも三崎ならでは。作り方も簡単なので、ぜひ家庭でも味わってもらえたら」と期待を込めた。

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