不審火相次ぐ 住民困惑、不安の声

 横浜市南区の北西部で不審火が相次ぎ、周辺住民に不安が広がっている。昨年10月5日に住宅の駐車場でミニバイクなどを焼いたのを皮切りに、発生件数は今月11日までで10件に上る。南署はいずれも火の気がないことから、放火の可能性もあるとみて捜査。南消防署とともに屋外に燃えやすいものを置かないよう注意喚起もしている。

 同署によると、不審火が発生しているのは、永田北1〜2丁目と南太田3丁目の住宅街。

 昨年10月5日に永田北2丁目の住宅の駐車場から出火、置いてあったミニバイクなどを焼き、同11月13日には同じく永田北2丁目の住宅1階駐車場から出火、木製の棚や駐車場の壁面などを焼いた。

 同12月24日には、午前2時すぎから同7時半ごろにかけて、永田北1〜2丁目で計4件の連続不審火が発生。今年に入っても続き、1月6日朝に南太田3丁目で2件連続、同11日未明にも永田北2丁目で2件連続して不審火があった。

 現場はいずれも一戸建てや集合住宅などで、永田北1〜2丁目での発生は半径約250メートル以内に集中している。10件中4件は、2階建て住宅の下にあるコンクリートに囲まれた火の気のない駐車場から出火しており、置いてあった車や自転車、スペアタイヤなどが燃えていた。

 今月11日に永田北2丁目で発生した不審火で、自宅駐車場に置いていた電動自転車などが燃えた無職男性(77)は「火災が多いとは聞いていたが、うちで起こるとは思わなかった」と困惑した表情。近所の男性会社員(69)も「気を付けろと言われても、どう防げば良いのか分からない」と不安を口にした。

 一方、県警は発生時間帯に合わせて警察車両によるパトロールを強化。周辺の防犯カメラ映像の確認などを継続している。

 南消防署も深夜帯のパトロールを実施、注意を促すチラシも配布している。南署は「燃えやすいものは家の庭や通路に置かず整理してほしい」と話している。

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