桜美林大 佐野純平さん 在学中にプロデビュー 目標は「K-1チャンピオン」 町田市

 桜美林大学4年の佐野純平さん(21)=写真が昨年12月、格闘技イベント「Krush(クラッシュ)」に出場し、キックボクサーとしてプロデビューを果たした。佐野さんは昨秋に体重別の大学生日本一を決める大会、「K-1カレッジ2017」で優勝し、今後の活躍が期待されている。

 佐野さんが格闘技「K-1」と出会ったのは小学生のころ。テレビで見た重量級のボブ・サップ選手の試合に衝撃を受け、「こんな世界があるのか。いつか自分もこの舞台に立ってみたい」と、憧れを抱いた。

 高校までは野球一筋だったが、部活動を引退した後に格闘技への想いが再燃。八王子のジムでキックボクシングを始めた。「練習がとにかく楽しくて、受験勉強の息抜きにもなったし、どんどんのめり込んだ」。そのままプロを目指すか、大学進学かで悩んだが、家族や恩師からの助言もあって進学を決断。桜美林大学に合格し、町田のジムに通う日々が始まった。

 大学1年時から早速アマチュアの試合に出場したが、「もしかしたら死ぬかもしれない」緊張感の中で、力を発揮できなかった試合も多くあったという。それでも「野球ではなかなか出番に恵まれなかったので、キックボクシングの世界で見返したい」と、練習に打ち込んできた。その結果、昨年9月には見事学生王者に。そして12月、プロデビューを勝ち取った。「勝利のあと家族や友人が祝福してくれる、あの充実感はたまらないですね」

 東京・後楽園ホールでのデビュー戦は、1ラウンド目でダウンを喫するも、3分3ラウンドを闘い終えた末に判定で引き分け。「立ち上がり硬くなってしまったが、盛り返すことができた。セコンドの指示を実行することで精一杯だったので、もっと経験を積まないと」と初戦を振り返った。

 現在は「K-1ジム相模大野KREST(クレスト)」(渡辺雅和代表/相模原市南区)に所属し、インストラクターも務める。目標とするのは同ジムの先輩で自身と同じ63kg級の「Krush(クラッシュ)」王者、佐々木大蔵選手だ。「やっとデビューできた。これからはK-1の素晴らしさを伝える側の選手として、チャンピオンを目指したい」。卒業を控え、本格的に格闘家としての道を歩み始めた。プロ2戦目は現状未定だが、年明けから厳しいトレーニングに励んでいる。
 

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