世界とつながり核廃絶を ICAN事務局長 長崎大で若者と対話

 ノーベル平和賞を受賞した非政府組織(NGO)「核兵器廃絶国際キャンペーン」(ICAN)のベアトリス・フィン事務局長(35)は14日、長崎市坂本1丁目の長崎大医学部良順会館で、核軍縮を学ぶ若者との対話集会に参加し「未来は若い世代の手にかかっている。希望を持つ世界中の人とつながり、核廃絶を実現しよう」と呼び掛けた。

 集会は長崎大核兵器廃絶研究センター(RECNA)と核兵器廃絶長崎連絡協議会が主催。RECNAが招待した長崎の高校、大学生ら約50人が参加した。

 フィン事務局長は集会冒頭に講演。核廃絶に向けた若者の「武器」として希望、活力、ソーシャルメディアを列挙し「これほど強力な組み合わせはない。地球規模のつながりを持てば核廃絶の目標に近づく」と促した。

 学生とのパネル討論や質疑応答では、どのように核廃絶の思いを周囲と共有するか議論した。フィン事務局長は「同じ希望を持つ仲間を味方につけることで活動の意味を実感でき、楽しみも生まれる」と紹介。被爆者が高齢化する現状には「(被爆証言の継承には)長崎の若い世代の役割が重要になる。テクノロジーを駆使し、被爆者の『声』を残していく必要がある」と話した。

 活水高2年の髙田萌衣(めい)さん(17)は取材に「まずは身近な学校の仲間から平和の思いを共有していく活動をしていく」と話した。

 フィン事務局長は15日に広島市で講演し、若者と意見交換する。16日に東京に移動し、国会議員との討論集会に出席する予定。

対話集会でマイクを手に若者の質問に答えるフィン事務局長(中央)=長崎大医学部良順会館

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